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2017.09.11

LGBT×家族 ねこママさんインタビュー / スーパーアライへの道




今日のスーパーアライへの道は特別編。
 
LGBT×家族をテーマとしたインタビューをお届けします。
 
記念すべき第一回は、トランスジェンダー(MtF)当事者のお母様・ねこままさんにお話をお伺いしました。
 
ちなみに、ねこママさんは今後ライターとしてレインボーライフで記事を連載していただきます!お楽しみに!!

 

え!?そっち!?から始まったカミングアウト

 
カミングアウト。
トランスジェンダーにとって、避けては通れないものの一つです。
カミングアウトを受けたときの親の気持ちを、語ってもらいました。

 

「カミングアウトをされたのは、18歳くらいのときです。
私、もともとはゲイの方だと思っていたんです。なんとなく、主人と話をしていてゲイなんじゃないかと」
 
「確信はないけれど、なんとなくそうなんじゃないかなって。好きな芸能人で名前が挙がるのが男性の方が多かったんです。たぶん親のカンみたいな感じで。でも、すごいずれたカンですよね。結局違ってたんですから(笑)」
 
「でも、あの子であることには変わりはないし、私たちはそれでも別にいいよね、って話をしていました。ゲイであろうと、何であろうと、この子が笑っていたらいいじゃないって。だって、無二の存在じゃないですか。だからどういう形であれ、生きていてくれればいいんです」
 
「……で、カミングアウトの時、「あのね、僕ゲイなの」じゃなくて、「性同一性障害なの」って言われて、頭の中で変換できなくて。思わず「え!?そっち!?」と(笑) え、ゲイじゃないの?という驚きの方が強かったです!
あれ、そっちなの、どうしようか、というところから始まりました。違う言葉が出たという驚きの方が強くて、性同一性障害だからという驚きはなかったです。単純に文字の違いみたいな(笑) ごめん、そっちは想像してなかった~!という感じです」
 
「カミングアウトをされる前の方が色々と大変だったので、なんだ!!もっと早く言ってくれればもっとお互い幸せだったのに!!!と思いました。そのカミングアウトの前の期間の方がもっとお互いにぶつかってたんですよね。
カミングアウトをしてくれたおかげで、その前に大変だった時期の理由がすべてつながったんです。だからもうちょっと早く言ってくれれば、もっと何かできたのになあ~とも感じました」
 
「カミングアウトをされて、そこからどうしたい?という話をしました。女性として生きていきたくて、戸籍を変えたいなら手術をしなければいけないし。あなたがそれで少しでも笑ってこの先生きていけるのであれば、10ある苦悩のうち一つでも取り除けるのであれば、我々は協力できるところは協力するよ、と伝えました。ごめん力不足のところもあるだろうけれど、そこは何とか自分でやってくれって」
 


 

好きなものは好きでいい―子供時代の思い出


「小さいころからの行動を見ていると、確かに納得できるところはありました。男の子のものを一切嫌いだったんです。だからイコールではないんですけど。好むものは女の子のおもちゃだったり、おままごとが大好きだったりしました。おや?と思っていましたが、幼稚園の時はそれが当たり前にまかり通っていたので違和感はなかったんです。
小学校の学童の時も、女の子とよく遊んでいたのですが、「女の子から人気があるんですよ~。女の子からしたら、男の子というか対人間なんでしょうね」と先生に言われ、なるほどねと思って。まあいいんじゃないかな、といった感じでした」
 
「欲しがるものはバービー人形とかだったんですけれど、私たちも無理やりダメとは言わなかったんです。頭ごなしに否定してもしょうがないでしょう?それに、いつか飽きるだろうと少し思っていました」
 
「また、幼稚園のトイレで、ブルーとピンクのスリッパがあったのですが、彼女は自分が履きたいと思ったピンクを履いたそうです。そうしたらお友達から、「男の子はピンクじゃなきゃいけないんだよ!」と言われたみたいで。「なんでピンク履いちゃいけないの?」と聞いてきたので「ねえ~なんでダメなんだろうね~いいじゃんね~」と言っていました(笑)
なんだっていいですよね。ピンクが綺麗だったから履いたみたいなんですけど、やっぱり男の子だから青、女の子だから赤っていう固定概念も必要はないですよね。私も別に男だからこの色を着せなきゃいけない!というのがなかったので、好きなものを着せていました」
 
 
 

私はいい経験をさせてもらっている―タイでの出会い


手術をタイで受けることになり、ねこママさんもタイへ3週間同行。
その様子をお話していただきました。

 
「一人で異国に行かせるのは心配だったのでついていったのですが、もうちょっといてもよかったかな、わりと楽しかったな、という感じでした(笑) 今回タイに行って、日本全国からトランスジェンダーの方が来ていたのを見ました。本当に日本人の方が多かったです。こんなにいるんだってくらい。
また、当事者の親御さんと少しお話ができたのですが、そのときに、「お金は出してるけれど認めてはいない」と言っていました。親御さんとしての苦悩もわかる。でも、彼女たちの苦悩もわかる。辛いんだろうな、と感じます。私も何か親御さんたちと気持ちを共有したいと、何かできることはないかと、そのときに思ったんです」
 
「私はいい経験をさせてもらっていると思っています。彼女に」
 
 

いつも笑っていてほしい


とんとん拍子で手術が決まったとのことですが、ねこママさんは子どもが手術をすることに対して、不安はなかったのでしょうか?
 

「手術をすることに不安はありました。やっぱり、何事にも100%ということはないし、死ぬ確率だってあるかもしれない。彼女はそれがわかってもどうしてもやりたい。それで悔いがないというのなら、じゃあそっちを応援しようと思いました」
 
「親は、自分の子どもに幸せでいてほしいと思っています。その幸せというものは人によって違うとは思うけれど、私の場合は、どんな状態であれいつも笑っていてほしいんです。親ってずっと一緒にはいられないから、私たちがいなくなった後に彼女が少しでも幸せに、笑って生きていけるのだったら、それでいいかなと」
 
 
 

ごめんねはやめよう

 
「私はやっぱり、ごめんねって誤ったんです。ちゃんとあなたを女性として産んであげられなかったことに対してものすごく申し訳ないと思う、と話をしたら、

「そのごめんねってお互い言うのはやめよう。私は私で、こんな身体で生まれてきて申し訳ないって思うし、お互いごめんねって言っても、前には進まないから。これから先、ごめんねって言いあうのはやめよう」

そう言われました。
だから、私たちはあなたがこれからやることに対して、協力できることであれば全面的にバックアップさせてもらうからね、と言いました。
そのかわり、きちんと隠し事はしないでなんでも言うこと、と約束しました。
例えば、ホルモンを始めるとかいうことはちゃんと言ってくれと。変なところから輸入したものを安いから打つとか、そんなことはやめてくれ、後々の身体のことを考えてほしいし、手術をして終わりではない。その先がまだあるから、きちんと話してと言いました」
 
 

 

私たちの考え方もマイノリティ―家族の意見


「やっぱり、私たちの世代はおじいちゃんおばあちゃんの考え方に影響を受けている人が多いと思うので、女性は家事、男性は仕事!という考え方の方が多いと思います。考え方においては私と主人はマイノリティですね」
 
「私の妹はちょっと気が付いていたみたいです。妹は本人公認のストーカーなので(笑)小さいころから溺愛しているので、彼女が幸せならどんな形でも問題ないんです(笑)でも口うるさく言ってますよ。うるせえババアが二人いると思っているのでしょうね(笑)」
 
「おじいちゃんおばあちゃんは、やっぱり理解するのに時間がかかっていました。差別的なものを実際に見ている世代なので、色々な面ですごく心配しますよね」
 
 
 

やりたいことをやれる環境

 

「自分がやりたいと思ったことをやれる環境にある、ということが前提にあると思います。やっぱり、やりたくてもやれない方はたくさんいらっしゃると思います」
 
「彼女が抱えている闇が晴れることはないのでしょうけれども、今は昔よりも好きにやれているし、少しは軽くなったのではないかと思います。「もし手術をしても、私は埋没しては生きていかない。周りにはカミングアウトをして生きていく」と言っていたのですが、それであなたが苦しくなければいいんじゃない?と考えています」
 
「明るく振舞わないと生きていけないじゃないじゃないですけれど、重く考えてもしょうがないよね、という考えはありますよね、たぶん。「日々いろんなことがネタだよね。ネタが増えればいいんじゃん?」って話をして、何かあると「いいネタができたね」と話しています(笑)」
 

 

息子と娘、両方味わえてラッキーなんだ!


「たとえ男の子が途中で女の子になろうとも、女の子が男の子になろうとも、息子と娘、両方味わえてラッキーじゃんって思えばいいんじゃない?って思います。
両方味わっちゃったよって(笑)
特にうちは一人っ子だったし、男の子の七五三味わって、女の子の成人式味わっちゃった、ラッキー!二度おいしい!みたいな(笑)
こんなふうに親が思えるようになればいいんじゃないかなって思います」
 


初めて詳しく当事者のご家族の方にお話を伺い、驚きの連発でした。ねこママさんのように「ラッキー!」と前向きに捉える保護者の方は貴重な気がします。
親の気持ちを知りたい方、同じ境遇の保護者の方、そんな方々に、このインタビューが届けばいいなと願っております。(佐野)

 

 

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