5.脈があるって何?

 

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2018.04.01

5.脈があるって何?


 

 みなさんこんにちは。ヲタクレズビアンのレロ@rero70)です。

 前々回の記事前回の記事では、「出会いの場」における振る舞い方がわからないために「出会いの場」で「出会えない」ということに関して、3つの問題点を析出し、私なりに考えてみました。予想以上に記事への反響が大きく、「出会いの場」に馴染めないと感じている人は意外とたくさんいるのだなあと、勇気付けられました。

 
 今回は、「脈がある」って何?というテーマを考えてみたいと思います。

 私たちは、誰かと仲良くなった話を他の人にした時に、よく「それは脈アリだよ!」などと言われます。
 しかし、「脈」ってそもそも何なのでしょう。おそらく、「『恋愛』という文脈に持ち込むことができる可能性のあるなし」なのだと思うのですが、それってそんなに簡単に分かるものなのでしょうか。また、「脈アリだよ!」と言う人は、どこからその「脈」を判断しているのでしょうか。
 

 

「脈」という言葉が用いられる2つの場面

 
 そもそも、ここには、「友達」と「恋人」は違うという前提があります。であるからこそ、「恋人」になれるか否かということを特別扱いして、わざわざ「脈」という言葉で示すんですよね。
 そして、「脈」という単語が登場するのは、おそらく、次の2パターンのうちのどちらかです。
 

1. まだ知り合ったばかりで「友達」にもなっていない、いわば「未分類」の状態にある人と、今後親しくなる中で「友達」ルートに分岐するか、「恋人」ルートに分岐するか、どちらだろうと考えている時

2. すでに知り合ってからそれなりに親しくなって「友達」になっている人と、そのまま「友達」ルートを走り続けるか、何かのタイミングで「恋人」ルートに分岐するか、どちらだろうと考えている時

 
 

「友達」というポジションと「恋人」というポジションの関係性

 
 そう、そもそも考えなければならないのは、「友達」というポジションと、「恋人」というポジションとの関係性です。この二者の関係性に関しては、人によってずいぶん考え方に差がありそうな気がします。

 昔の私は、なぜか「友達になったらもう二度と恋人にはなれないんだ!」と思い込んで、勝手に絶望していました。山のような数の人に出会うのに、出会った人出会った人みんな「友達」になってしまう(いや本当に出会った人全員と「友達」になれていたのかと言うと怪しくて、「知り合い」止まりだった人もたくさんいたと思うのですが)。そして、当時、なぜか「友達」を「恋人」よりも「下」のポジションだと思っていた私は、「友達は作れるのに恋人は作れないなんて、私の人格に重大な欠陥があるに違いない…」と本気で悩み、思い詰めてもいたのです(今思えば、本当に大事な一部の「友達」に失礼な考え方ですよね、これは)。

 でも、そうじゃないんですよね。確かに、「一度友達になったらもう恋愛対象としては見られない」という人も中にはいるけど、そうじゃない人もいっぱいいる。なんなら、「友達からしか恋人になれない」という人もいる。情緒的な絆を感じた人にのみ恋愛感情を抱くデミロマンティックの人には、このケースが多いかもしれません。だから、「友達になったらもう二度と恋人にはなれないんだ!」なんて絶望する必要はない。
 そもそも私自身も、友達から恋人を作るほうが向いている気がします。私は、あまりよく知らない人には恋愛感情を抱けないタイプで、時間をかけてゆっくりじっくり親しくなって、その人の思考の癖や細やかな表情一つ一つが持つ意味を知り尽くしてはじめて、愛しく思うので。
 

 

「友達から恋人になる方法」は?

 
 そうだとすれば、今度は知りたいのは、「友達から恋人になる方法」ですよね。そう、最初に提示した「脈」が登場する2つの場面のうち、2番目のほうです。これが、また、ものすごく難しい。

 いろんな人と話してみると、どうも、「友達にはなれるけど、恋人にはなれない」問題を抱えている人は、私だけではない模様です。そういう人たちはみんな、「恋人になるやり方がわからない」と言います。
 しかし、頻繁に恋人を作っている恋愛に慣れた人たちにこの手のことを相談すると、今度は必ず「そんなの簡単だよ」「押せばいいんだよ」などと言われます。もしくは、「気があるということを示せばいいんだよ」とか。そう、こういうシーンでまさに発されるのです、「それは脈アリだよ!」という言葉は
 まず疑問なのは、その相談相手がどこから「脈アリ」か否かを判断したのかですよね。そしてもっと重要なのは、もし本当に「脈アリ」だったとして、そこから恋愛に本当に発展させるために「押す」だの「気があるということを示す」だのといった実践をどのように行えばよいのか、です。それができれば苦労してないんじゃこっちは!!!
 

 どうも、時々、恋愛に慣れている人たちは、「親しくなれば、自動的に恋人になれる」とでも思っているんじゃないかと疑いたくなってしまいます。
 そういえば、恋人がいる人に「馴れ初め」を尋ねると、「えー、なんか飲み会で出会ってー、話してるうちに趣味が合うことがわかってー、いい感じになったとか言われますよね。いやいやいや、「飲み会で出会って」「話してるうちに趣味が合うことがわかって」まではできるんや、私らも。違うの、疑問だし知りたいのは、なぜそこからいきなり「いい感じに」なるのかなの!その過程の説明を省略しすぎやろ!!

 私が恋人がいる人・恋人ができた人に「馴れ初め」を聞くのは、恥ずかしがらせたいからでもなんでもなくて、ただ単に自分の今後の参考にしたいからなのです。「人々はどのような実践の結果、恋が成就して『お付き合い』に至るのか」が分かれば、自分にも応用できるかもしれないじゃないですか。先行事例の分析、大事。でも、みんな大抵、一番肝心なところを話してくれません
 「仲良くなった」とか「よく会うようになった」とかそんなのはええんや。そんなん私だってできるわ。問題はそこからだよ! なんでそこから、「恋愛」という枠組みの中で「お付き合い」することになったのか、だよ!!!

 そこに飛躍がありすぎると思うのです。少なくとも私は、「仲良くなった」「よく会うようになった」から「恋愛」としての「お付き合い」の間に、いわゆる「越えられない壁」があると感じています。でも、どうも、恋愛に慣れている人からすれば、ここの間はわりとひとっ飛びらしい。いったい何がどうなっているのか。
 

 

すべての友人関係は「脈アリ」…?

 
 ここで話を戻して、相談相手がどこから「脈アリ」か否かを判断するのかを考えてみましょう。たぶん、「仲良くなった」「よく会うようになった」から「恋愛」としての「お付き合い」の間にあるのが、「越えられない壁」ではなく、「越えられる壁」である場合に、「脈アリ」という言葉が適用されるのでしょう。

 ということは、「恋人になり得る友人関係」「恋人になり得ない友人関係」がそもそもあるということなのでしょうか。あるとして、この2つはどのようにその「友人関係」の内実が異なるのでしょうか。それから、この2つは友達になった当初からすでに決定され、固定されているのでしょうか。それとも友人関係を深めたり続けたりしていくなかで、「恋人になり得ない友人関係」だったものが、「恋人になり得る友人関係」になることもあるのでしょうか。
 このあたりのことは、もう何年も考えていますが、ずっと分からないままです。ある友人は私に、「恋人に絶対になり得ない友人関係なんてないよ」と言ってくれました。そうだといいんですが、いかんせん友達から恋人になったことがないので、「友達から恋人になる」というのがどんな感覚なのか、どのような実践なのか、まったくつかめていなくて、不安しかありません…。

 もしかしたら、すでにある程度以上親しくなっている相手について、恋愛に慣れている人たちに相談すると全部だいたい「脈アリ」と言われるのは、恋愛に慣れている人たちは「恋人になり得ない友人関係なんてない」と今までの経験から思えているからなのかもしれません。もしかしたら、そういう人たちにとっては、どんな友人関係も、そのあと適切に「押し」たり「気があるということを示し」たりさえすれば、恋愛文脈に持ち込める可能性があるものなのかもしれません。そうだとすれば、最初から「脈ナシ」である友人関係なんて、世の中に存在しないことになります(「実際に恋愛文脈に持ち込もうとしてみたら、うまくいかなかった」というケースは除いています。あくまでも、「最初から『脈ナシ』だと完全に決まっている友人関係はない」という趣旨です)。ずいぶん大胆な仮説ですが、一旦この仮説を支持して、話を進めてみましょう。
 

 

「脈アリ」をお付き合いに成就させるための「恋愛的アプローチ」

 
 ひとまずすべての友人関係は「脈アリ」の可能性を秘めているとポジティブに考えることにして、次に知りたいのは、友人から恋愛に発展させるための「押す」「気があるということを示す」といった実践をどのように行えばよいのか、ですよね。いわゆる「恋愛的アプローチ」というやつです。私たちの今の仮説に基づけば、これさえうまくできればすべての友人関係は「脈アリ」になり得るわけですから、ここのところはとても重要です。
 これについても、私は全然分からなくて、ずいぶんいろんな人に相談してきました。いまだにやっぱりよく分からないところがたくさんあるのですが、少し見えてきたこともあります。しかし、ちょっと記事が長くなりすぎたので、これについては次回の記事で考えてみたいと思います。
 

 次回は、今回の記事の続きで、「恋愛的アプローチ」って何?いったい具体的に何をすればいいの?ということを考えてみる予定です。よろしければ、次回も読んでいただけたら嬉しいです。
 
 

 
Writer's Info

レロ

恋愛に苦手意識を持つ、ヲタク(ほぼ)レズビアン。でも彼女はいつでも募集中。
アイドルや百合漫画以外の趣味は、コーヒー、東京ディズニーリゾート、ドラム・パーカッションなど。
大学院でジェンダー・セクシュアリティの社会学を研究している。現在の主な研究テーマは、メイドカフェにおける女性主体の経験。
2017年にアイドルとセクシュアリティ研究会(仮)を立ち上げ、アイドルとLGBTについて考えるイベント「アイドル×LGBT=?」、「アイドル×LGBT=? in Nagoya」を主催した。(ハッシュタグ #idolLGBT で当日の様子や感想をご覧いただけます)
 
Twitter: @rero70
はてなブログ: http://rero70.hatenablog.com/

     

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