パンセクシュアル(全性愛)とは?意味からバイセクシュアルとの違いまで

 

TOPICSトピックス

パンセクシュアル(全性愛)とは?意味からバイセクシュアルとの違いまで

2017.05.25


 

パンセクシュアルって?

 
皆さん、パンセクシュアルという言葉を聞いた事はありますか?

このサイトでも、LGBTやセクシュアルマイノリティ関連の用語を当たり前のように使ってますが、オフィスの外で色々な方とお話しをさせて頂くと、「パンセクシュアルって何?」と聞かれる事がしばしばあります。

セクシュアリティの説明は他の記事でもしてますが、ここでは特に「パンセクシュアル」についてお話ししようと思います。


 

Wikipediaによるパンセクシュアルの定義は以下のとおりです。
 


“全性愛(ぜんせいあい)、パンセクシュアリティ(pansexuality)、オムニセクシュアリティ(omnisexuality)とは、男性/女性の性の分類に適合しない人々も含め、あらゆる人々に恋をしたり、性的願望を抱いたりすること。全性愛の性質を持っている人を全性愛者(ぜんせいあいしゃ)、パンセクシュアル(pansexual)、オムニセクシュアル(omnisexual)という。” 

出典:Wikipedia

 
この内容を私なりに解釈すると、パンセクシュアルとは、性別にこだわらずどんな人でも愛せる人のこと。「性別という枠を超えて人を愛せる人」なのかな、と思っています。


 

パンセクシュアルとバイセクシュアルってどう違うの?

 
パンセクシュアルの話をすると、大体「それってバイセクシュアルとどう違うの?」という質問が飛んできます。
 
私自身も初めて「パンセクシュアル」という言葉を聞いた時、「ん?それはバイセクシュアルとどう違うんだ?」と疑問に思いました。
 
ちなみに「バイセクシュアル」の定義は以下のようになっています。
 


両性愛(りょうせいあい)、バイセクシュアリティ(bisexuality)は、男性にも女性にも見られる、いずれの性の人に対しても、美的な憧れや情緒的・精神的な魅惑、あるいは性的・肉体的な欲望を抱くような性的指向をいう語。両性愛の性質を持っている人を両性愛者(りょうせいあいしゃ)、バイセクシュアル(bisexual)あるいは略してバイという。 

出典:Wikipedia


 
パンセクシュアルとバイセクシュアルを日本語で捉えるとするなら、パンセクシュアルは「全性愛者」で、バイセクシュアルは「両性愛者」になります。
 
私の理解では、パンセクシュアルは先ほども言ったように、「性別という枠を超えて人を愛せる人」。一方バイセクシュアルは、「性別という枠はある程度意識するけれども、男性と女性、どちらも愛せる人」なのかな、と。
 
誰かを好きになるときに、「自分は男女両方とも愛せる」と認識するか、「自分はどんな人でも愛せる」と認識するかの違いなんじゃないかと思います。
 
前者の認識を持ったならバイセクシュアル、後者の認識を持ったならパンセクシュアルになるのかと。

図にしてみるとこんな感じですかね。
 
パンセクシュアル
 

バイセクシュアル

 
ただ、他の記事でも書いていますが、私個人は「性別は自分で決めていい」と思っているので、パンセクシュアル、バイセクシュアルに関しても、「自分にとってしっくりくる方」を選べばいいと思います。


 

パンセクシュアルって診断できるの?


セクシュアルマイノリティについてお話するときによく出てくる「それって診断できるの?」のような疑問。

前章でもお話した通り、セクシュアリティは基本的に自分で決めるものです。だから、パンセクシュアルは周りが診断できるものではありません。

あなたが「自分にはパンセクシュアルというアイデンティティがしっくりくるな」と思っていれば、あなたはパンセクシュアル。

それでいいのです。

自分の状態に合う言葉を選べばいいだけなのです。


 

実際にパンセクシュアルとバイセクシュアルの人に会って

 
私の場合、実際に何人かのバイセクシュアル、パンセクシュアルの方にお会いしたことがありますが、第三者の目線から見ると、「バイセクシュアルはこういう人」、「パンセクシュアルはこういう人」という明確な差はありません。
 
私がお話を聞いてきた中で、自分を「バイセクシュアル」もしくは「パンセクシュアル」だと認識している方は、始めは自分を「同性愛者」か「異性愛者」のどちらかだと思っていて、前者なら「異性」を、後者なら「同性」を好きになった時に「自分はバイセクシュアル/パンセクシュアルだ」と認識するケースが多い気がします。
 
つまりこういうことです。⬇︎
 
例えば、Aさんという女性が、今までずっと「女性」しか好きになったことがなく、自分を「レズビアン」だと思っていたとしましょう。
そのAさんがある日突然、Bさんという「男性」を好きになりました。
この時、Aさんは「男性も好きになれたということは、自分はバイセクシュアル/パンセクシュアルなのでは?」と思うようになるわけです。
 
逆もまた然りです。
 
Cさんという男性が、これまでずっと「女性」しか好きになったことがなく、自分を「ストレート」だと思っていた。けれどある日、Dさんという「男性」を好きになる。この時に、Cさんは自分を「バイセクシュアル/パンセクシュアルだ」と認識するようになるのです。
 
上記のようなケースだと、自分の性的指向が二つ以上の性に向くと気づいた時、自分がバイセクシュアル/パンセクシュアルだと認識するわけですが、ここでバイセクシュアルとパンセクシュアル、どちらの言葉を選ぶかは本人の認識の仕方次第だと思います。
 
二つ以上の性を愛せると気づいた時に、「自分は男性も女性も好きになれるんだ」と思ったならバイセクシュアル、「自分は性別に関係なくどんな人でも好きになれるんだ」と思ったならパンセクシュアルというケースが、私の知っている限りでは多い印象です。

 

自分のセクシュアリティは自分のもの


  男性・女性以外の性別の方を実際に好きになったから、自分は「パンセクシュアル」だと認識する方もいると思いますが、「自分はパンセクシュアルだ」というためには、男女以外の性別を好きになった経験がなくてはならないということはありません。「バイセクシュアル」より「パンセクシュアル」がしっくりくるなら、そちらを選べばいい。
 
「バイセクシュアル」だと自認している人に「あなたはバイセクシュアルじゃない。パンセクシュアルだ。」という必要もなければ、「パンセクシュアルだ」と自認している人に「あなたはパンセクシュアルじゃない。バイセクシュアルだ。」と諭す必要もありません。
 
「バイセクシュアル」と「パンセクシュアル」、それぞれの定義や意味を知って、その上でどっちが自分にとって合っているか選んでくれればいい。
 
途中で認識が変わったっていいんです。
「バイセクシュアルだと思っていたけど、よく考えたらパンセクシュアルかもしれない」なんて思うケースもあるでしょう。
それだって個人の自由です。
セクシュアリティが揺らぐ、変わるのも自由です。
焦らずゆっくり自分のセクシュアリティと向き合っていいと思います。
 
向き合うか向き合わないか、それすらも本来個人の自由だと思うし。
 
「バイセクシュアルの方がいい」とか、「パンセクシュアルの方がいい」なんてことも、本来ありません。


 

バイセクシュアル、パンセクシュアルのLGBT当事者内差別




バイセクシュアル、パンセクシュアルの方とお話する中で、「LGBT当事者内差別」みたいなことをしばしば耳にします。
 
バイセクシュアル、パンセクシュアルであることで、レズビアンやゲイの方から「どうせ最終的には異性の方を選ぶんでしょう」とか、「結婚できる可能性があるからいいよね」とか言われることがあるみたいです。
 
ここで私が思うこと。
確かに、バイセクシュアルやパンセクシュアルの人たちは異性を好きになる可能性がある。その異性と結婚する可能性もある。
 
でも。でもですよ。
それはあくまで可能性です。
可能性をいくら計算したところで、現実に起こるのは0か100かのどちらかです。どちらになるかは誰にもわかりません。
 
バイセクシュアルやパンセクシュアルの方も、異性を好きになる可能性はあるけど、実際に好きになるかも、結婚するかもわからないわけです。
 
実際にバイセクシュアルやパンセクシュアルで、同性パートナーがいらっしゃる方を、私は何人も知っています。
 
「バイセクシュアルやパンセクシュアルである」=「最終的に異性と付き合って結婚する」では必ずしもないし、「結婚できるから、異性と付き合う」はそんなにいないと思います。
 
だから、「可能性がある」だけで差別的な言葉を受けるのは、ちょっと違うと思います。
 
もちろん、差別的な発言をしない方もたくさんいると思いますし、むしろそういう方の方が多いと考えています。
 
ただ、どちらにせよ「結婚できる・できない」みたいな問題は、同性婚が出来るようになれば解決すること。
 
と考えると、バイセクシュアルやパンセクシュアルの悩みの解決は、レズビアンやゲイなど他のセクシュアリティの悩み解決にも密接に関連しています。
 
とにかくまずはLGBTやセクシュアルマイノリティについて広く、深く知ってもらうこと。それがすべての始まりな気がします。
 
一人ひとりが学び、理解をすること。
それができると、バイセクシュアルやパンセクシュアルの方も、それ以外のセクシュアルマイノリティの方も生きやすい社会が来るのではないでしょうか。
 

※あくまで筆者個人の意見です。

 

 

WRITERこの記事の投稿者

山梨


アライ日記


ストレートアライ。幼少期に男子のような洋服を好んで着ていたため、男子によく男子に間違えられていた。最近では、文京区にて交流会を開催中

他の記事を見る