映画『私はワタシ~Over the Rainbow~』―さまよえる人への希望

 

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2018.12.03
こんにちは!レインボーライフ映画部です!
マイノリティ・シネマ・リポート、今回は12月22日(土)~28日(金)限定で公開される『私はワタシ~Over the Rainbow~』を一足先にご紹介します!


 

『私はワタシ~Over the Rainbow~』

キャスト:長谷川博史(HIV陽性者ネットワーク・ジャンプラス理事)、増原裕子(LGBTアクティビスト)、ピーター(池畑慎之介)(タレント、俳優)、はるな愛(タレント)、レスリー・キー(フォトグラファー)、杉山文野(渋谷区男女平等・多様性社会推進会議委員)、松中権(グッド・エイジング・エールズ代表)ほか50人

監督:増田玄樹 
プロデューサー・インタビュー:東ちづる 
LGBT監修:長谷川博史 
テロップ制作:五十嵐彩香、英訳:Matt Douglas
音楽:増田玄樹 エンディングテーマ「life is beautiful.」作詞・作曲:増田玄樹 挿入歌「over the rainbow.」作詞・作曲:増田玄樹 
制作:一般社団法人Get in touch 2017|日本|約90分|日本語・英語字幕付き

■上映会場:ポレポレ東中野 https://www.mmjp.or.jp/pole2/
 東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル地下(JR総武線、地下鉄大江戸線 東中野駅より徒歩1分)
■上映期間:2018年12月22日(土)〜28日(金) 各日18:50より
■料金:当日一般1,700円/大・専・シニア(60歳以上)1,200円 、前売1,300円
■公式サイト:https://warmblue2018.wixsite.com/overtherainbow

●生死をさまようワタシたち

 


「あなたはご存知ないかもしれませんが、私の血にはあのエイズを引き起こす HIVが混ざっておりますの……。」ーー長谷川博史

冒頭すぐの波のように穏やかで重厚感のある語り口から、力強い生命を感じる一節が吹き込まれた。思わずゴクリと、息を呑む。


自分らしくあること、それを希望と感じる人もいれば、絶望と感じる人もいる。
一橋大学同大学院で起きたアウティング事件は今も記憶に新しい。「私がワタシ」であること、ただそれだけのことが、未だ許されない現状がある。

「生きづらさ」とはどこにあるのか。本作品は、個人の人権についてセクシャリティとジェンダーという視座から、この世に生きる全ての人に問いかけるドキュメンタリーだ。

セクシャリティもジェンダーも、全ての人が等しく選択でき、また選択しなくてもよい。それを知っている人があまりにも少なすぎるこの日本という国で生きる人たちの、希望と絶望を生々しく映し出したのが『私はワタシ』である。

そして長谷川氏は、こうも続けた。


「あるべき姿でなく、あるがままの姿で、生きることを可能にしてくれる。幸運の血でございますの。」ーー長谷川博史





あなたのあるべき姿とは何か、そしてあるがままの姿とは何か。あなたは今どんな姿で日々生きているのか。

そんな風に映画を通して自分に問いかけてみてほしい。きっと多くの人に突き刺さる問いかけだろう。「私はワタシ」と声をあげ、考え葛藤し、悩み苦しみそしてもう一度「私はワタシ」と自分の姿を見つめて、ようやく自分らしく自分の足で生きていける気がするのだ。

声を上げないことは簡単だ。
けれど、それでは何も変わらない。ひたすら自分を押し込めて、殺して生きていくしかない。だからこそまずは、「私はワタシ」と知ってあげることが、少なくとも本来の自分らしさを殺さないで済む一つの方法なんだと、本作品に出てくる50名以上の人が体現をしている。


●社会をさまようワタシたち



声を上げないといないものとされる、それが人権の通る道である。

夢の国ディズニーでレズビアンカップルが同性結婚式を挙げ一目を浴びたこともあった。一橋大学院でのアウティング事件により命を落とした方もいた。企業内でLGBTsにも当てはまる待遇や施策を行う波も出てきたし、一方で杉田水脈議員の「LGBTは生産性がない」記事の寄稿やそれを受けた週刊新潮45の休刊もあった。

声を上げるということは、自分で自分を生かし、存在を証明するということであり、そして全ての人がその人権について考える機会なのではないだろうか。


本作品は、セクシャリティやジェンダーのあらゆる視点と側面を持つ50名を超える人たちによる、人権の対話で構成されたものである。


「こんな人間に生まれてきたくなかったんです」

「お父さんお母さんに愛されるようないい子で生まれたかった」



作中のキャストがこう漏らすシーンがあった。セクシャリティやジェンダーに関してこの国でマイノリティであるという事実は、自分を許せない、あるがままを受け入れられないことに繋がっていく。

けれどこの映画では、「あなたの居場所は一つに限らない」ということも伝えている。先のキャストも、東京レインボープライドで「色んな人に愛されているんだな、許されているんだな」と実感したと、自分らしくいることが愛される居場所を知ったのだ。

家の中が全てじゃないし、学校だけが拠り所ではない。自分らしくいられる居場所を求めさまよう先に、自分の落ち着ける場所や空間、そして仲間がついてくる。さまようという選択が、皆にあるのではないだろうか。
自分らしくいられる居場所を見つけられたら、少なくとも孤独ではなくなる。もう誰も、この息苦しい社会で一人で戦わなくていいのだ。


●ひとりひとり違う、だけど独りじゃない、ワタシたち



LGBTsの当事者もアライも、オープンな人もクローゼットな人も、肯定的な人も否定的な人も、老いも若きも全ての人にみてほしい。なぜならこの映画は、全ての人に関わる人権のことであるからだ。


他人事にできるような、そんな優しい映画ではない。


それぞれの人生を生き、自分らしくという答えを導き出した人たちによって、観る人ひとりひとりに問いかけをしてくれる。自問自答の時間を与えてくれる、問いかけの映画なのである。


『私はワタシ』胸を張ってそう言える社会になるために一石を投じる、必見のドキュメンタリーだ。




 

『私はワタシ~Over the Rainbow~』

キャスト:長谷川博史(HIV陽性者ネットワーク・ジャンプラス理事)、増原裕子(LGBTアクティビスト)、ピーター(池畑慎之介)(タレント、俳優)、はるな愛(タレント)、レスリー・キー(フォトグラファー)、杉山文野(渋谷区男女平等・多様性社会推進会議委員)、松中権(グッド・エイジング・エールズ代表)ほか50人

監督:増田玄樹 
プロデューサー・インタビュー:東ちづる 
LGBT監修:長谷川博史 
テロップ制作:五十嵐彩香、英訳:Matt Douglas
音楽:増田玄樹 エンディングテーマ「life is beautiful.」作詞・作曲:増田玄樹 挿入歌「over the rainbow.」作詞・作曲:増田玄樹 
制作:一般社団法人Get in touch 2017|日本|約90分|日本語・英語字幕付き

■上映会場:ポレポレ東中野 https://www.mmjp.or.jp/pole2/
 東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル地下(JR総武線、地下鉄大江戸線 東中野駅より徒歩1分)
■上映期間:2018年12月22日(土)〜28日(金) 各日18:50より
■料金:当日一般1,700円/大・専・シニア(60歳以上)1,200円 、前売1,300円
■公式サイト:https://warmblue2018.wixsite.com/overtherainbow

 

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レインボーライフスタッフ

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