日本における同性婚の合憲性を問う初の大規模訴訟

 

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日本における同性婚の合憲性を問う初の大規模訴訟

2019.02.09
複数の同性カップルが弁護団のサポートのもと、国を相手に「同性婚の合憲性」を求めて、本年2月14日に全国で一斉に訴訟を起こす計画であると発表しました。今回の訴訟は一体どういうものなのか、そしてなぜ今日本で同性婚が求められているのか、詳しく解説します。




 

訴訟の概要



今回の訴訟は日本に在住する各地の同性カップル13組によって起こされるものです。法律をつくる場である国会では与党の自民党を中心に同性婚を前向きに議論する動きが見られないため、司法の場である裁判所を通じて国に訴えかける「訴訟」という手法が選ばれました。

さらに今回の訴訟は「賠償請求」という形ですが、これは裁判所が「同性婚の是非」という抽象的なテーマで憲法問題を論じたり、それについて何らかの判断を下したりすることができないからです。つまり、「同性カップルの権利が侵害されているため、国にその賠償を求める事件」という具体的な事例の中で「同性婚は合憲かどうか」を判断する必要があるということです。

今回のケースでは東京や大阪、札幌など13組の同性カップルが全国各地で2月14日に一斉に裁判を起こす形を採ります。書類の審査後、まずは地方裁判所で議論が開かれ、結果次第で高等裁判所、最高裁判所と順に進んでいきます。

 

そもそもなぜ同性婚が必要か


「同性婚の必要性が最近よく主張されているけど、そもそもなぜか」という質問への答えは、当事者であっても漠然としかイメージできない方も多いのではないでしょうか。訴訟を起こす弁護団を中心とした支援団体「Marriage For All Japan – 結婚の自由をすべての人に」は、同性婚が求められる大きな理由として主に下記の4つを挙げています。

①相続の問題
パートナーが亡くなったとき、結婚していれば、遺言がなくても、パートナーの財産を全く相続できないということはありません。でも、結婚していなければ、遺言を残しておかないと、どんなに長く一緒に生活していたとしても、まったく相続できません。パートナーが所有している家に住んでいたときには、家から出ていかないといけなくなるかもしれません。


②外国人パートナーの問題
外国人のパートナーは、男女なら結婚していれば、日本人の結婚相手として日本にいる資格をもらえます。しかし、同性どうしの場合、結婚ができないので日本人の結婚相手として日本にいる資格をもらえません。日本で仕事などをしていれば、それを理由に日本にいる資格をもらえることもありますが、失業してしまうと資格がなくなるので、安心できません。同性どうしの場合、一緒の国で暮らす資格をもらえず、愛し合っているのに一緒にいられないことがあるのです。


③緊急時の問題
パートナーが病気や怪我で意識不明になったとき、結婚していれば家族としてパートナーのようすを見守ったり、医者から話を聞いたりできます。しかし、同性どうしだと家族扱いしてもらえず、いちばん大切な人のようすを見守れなかったり、医者から話を聞けなかったりすることがあります。同性のパートナーだとダメという法律はないので、病院がOKさえしてくれればいいのですが、「法律上の家族ではないから」との理由で許されないことがあるのです。結婚して法律上家族になっていればすんなり認められることが、同性カップルの場合は結婚することができないため、認められないかもしれないという不安がつきまといます。

④子どもの問題
パートナーが産んだ子どもを親として一緒に育てていても、自らは「親権者」にはなれません。そのため、病院で「法律上の親を連れてくるように」と言われてしまうことがあります。法律上の親が、遺言で未成年後見人を指定せずに亡くなってしまった場合、遺された法律上の親ではないパートナーは、子どもとの法的な関わりがないので、ずっと育ててきた子どもと関われなくなってしまう可能性があります。


以上の問題は自治体が独自に行っているパートナーシップ制度で改善されている部分もありますが、同制度がないエリアに住んでいる人にとっては依然として大きな問題です。パートナーシップ制度が広がりつつある一方、制度の有無で地域格差が生まれているとも言えます。

国全体として同性婚を認めるべきかどうか、司法を介した当事者と国との本格的な議論がいよいよ始まります。

【参考リンク】
Marriage For All Japan 

WRITERこの記事の投稿者

仲泊

 
ゲイ&ダブルマイノリティのリアル
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統合失調感情障害という精神疾患を抱えながら、音楽関連の研究者を目指しているゲイのミュージシャンです。公式ブログもぜひご覧ください!


      
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