平沢議員の発言に潜むLGBTにまつわる2つの誤解とは?

 

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平沢議員の発言に潜むLGBTにまつわる2つの誤解とは?

2019.01.27
2019年1月3日、自民党の平沢勝栄衆院議員が山梨県での集会で、少子化問題と関連して「同性婚が増えれば国はつぶれる」という旨の発言をして批判を浴びています。LGBT当事者からすると呆れるしかない発言ですが、セクシャリティに関わらず「具体的に発言のどこが問題なの?」と聞かれるとうまく答えられない方もいるのではないでしょうか。そこで、今回は平沢議員の発言に潜む2つの誤解を解説します。



 

LGBTは趣味ではない



セクシャリティは性的指向と呼ばれることもあり、「嗜好」とついつい混同されがちですが、実際には異性愛者の方が当たり前のように異性を好きになるように、ゲイの男性も自然と男性を性的対象と見なしているというのが当事者の基本的な共通理解です。


確かに「以前は女性と付き合っていたこともあるけど、今は男性が対象」という人もいますが、それがまさにLGBTのB(バイセクシャル)の要素とも言えますし、さらには「女性と付き合っている=異性愛者」とも限りません。ゲイであってもそんな自分に嫌悪感を抱いて無理に女性と付き合ったり、結婚したりする人もいます。


インドネシアのチャラバイと呼ばれる人々のように、異性愛者的になったり同性愛者的になったりする流動的な文化も存在しますが、それも「趣味・嗜好」とは程遠いものです。


同性婚を認めたからといって異性愛者の人たちの多くが同性愛者に転じ、少子化が深刻になるなんてことは考えられません。平沢議員の発言には、「LGBT=趣味」という誤解が潜んでいるわけです。

 

同性カップルの里親のメリット



日本ではイメージしづらい同性カップルによる里親・養子縁組ですが、欧米圏では認められている国が次第に増えてきていますし、同性カップルの子育てを支援する団体も多く存在します。


2010年の記事ではありますが、アメリカではレズビアンのカップルによって育てられた子どもは学業で良い成績を修めており、同年代の他の子どもたちより自分に自信を持っており、さらには問題行動があまり見られないという報告があります。


また、平沢議員の発言を受けて実際に同性愛者である日本文学者のロバート・キャンベルさんは、「海外では、同性婚を認めた地域の出生率が上がったとの報告もある」と指摘しています。


つまり、LGBTの人々は子育てができないどころか、むしろ新しい形の「良き親」として社会・経済的にプラスの効果をもたらす可能性が世界的に唱えられているのです。


少子化と関連づけてLGBTを論じるのは誤解に満ちたナンセンスなことがわかりますね。今回の平沢議員の発言は2018年の杉田議員の発言とあわせて各国で報じられています。立て続けに起こるセクシャル・マイノリティへの差別発言は議員自身だけでなく、自民党内で国際問題としても考える必要があります。


【参考リンク】

CNN『同性カップルが良き両親になる理由』 (英語)

@niftyニュース(日本語)「ロバート・キャンベル「勉強して下さい」平沢議員発言に呆れ」

WRITERこの記事の投稿者

仲泊

 
ゲイ&ダブルマイノリティのリアル
ゲイとりっぷ!

統合失調感情障害という精神疾患を抱えながら、音楽関連の研究者を目指しているゲイのミュージシャンです。公式ブログもぜひご覧ください!


      
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