アメリカ心理学会が指摘する「男らしさ」の弊害とは?

 

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アメリカ心理学会が指摘する「男らしさ」の弊害とは?

2019.01.22
「男らしさ」や「女らしさ」といった考え・表現が、なんとなくセクシャル・マイノリティにとって心地よくないと感じている方は多いかもしれません。今回は2019年に入ってアメリカ心理学会が公表したガイドラインと、そこで指摘されている「男らしさの弊害」についてのニュースをお伝えします。



 

「男らしさ」の要素と影響



アメリカ心理学会は合衆国における最大の心理学分野の団体で、2019年に入って以前から作成されていた『少年および成人男性の心理学的実践のためのガイドライン』を一般に公開しました。内容は多岐に渡りますが、特に「男らしさ」が実際に男性自身に与える悪影響が注目を集めています。


ガイドラインでは「男らしさ」の捉え方には差異があるとしつつも、概ね次の要素から成り立っていると述べています。

 
  • 情緒的な禁欲主義(ストイックさ)
  • ホモフォビア(同性愛嫌悪)
  • 弱い部分を見せないこと
  • 自尊心と競争心

 そして、「男らしさ」が男性や子どもの発育に与える悪影響を次のように指摘しています。


「伝統的な男らしさの概念に従うことは、男性の行動を制限し、ジェンダーの役割の限定やそれにまつわる対立を生み、心身の健康に悪影響を与える」


「攻撃性・ホモフォビア・女性嫌いを強調する非常に狭い『男らしさ』の考え方で育った子どもは、たとえばいじめや同性愛者の嘲笑、セクハラなどの破壊的行動にエネルギーを注いでしまう恐れがある」


「自由」や「人権」とともに「差別の歴史」のイメージもあるアメリカにおいては、「男らしさ」が持つネガティブな力が心理学の世界でも問題となっていることがわかります。

 

日本の「男らしさ」



今回ご紹介したガイドラインはアメリカ心理学会のものということもあり、すべての内容を世界中の男性に適用することはできませんが、日本でも「男らしい」とか「男の子なのに」といった言葉を耳にすることは珍しくないです。



日本の場合はこれらの言葉に「ホモフォビア」の要素は含まれていないようにも感じられますが、「男らしさ」が結果的に「男性・女性はこうあるべきだ」、さらには「結婚・夫婦はこうあるべきだ」などの固定観念に発展しているのかもしれません



ジェンダーレス男子やオネエタレントが芸能界で活躍する昨今ですが、そういった人々はむしろ「男らしさ」の対極に位置づけられているからこそ「珍しくて面白い」のかもしれません。



すべてを参考にしなくても、「『男らしさ』が子どもの心の発育や男性の心身の健康に悪影響を与える」という報告はぜひ日本でも学校を含む様々な子育ての場で認知されてほしい事実ですね。

【ソース】

アメリカ心理学会 (英語)

WRITERこの記事の投稿者

仲泊

 
ゲイ&ダブルマイノリティのリアル
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統合失調感情障害という精神疾患を抱えながら、音楽関連の研究者を目指しているゲイのミュージシャンです。公式ブログもぜひご覧ください!


      
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