「指の長さで同性愛者かどうか分かる」は本当?

 

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「指の長さで同性愛者かどうか分かる」は本当?

2018.11.03

 
 
「人差し指と薬指の長さを比べると、同性愛者かどうか分かる」や「男性ホルモンが多いかどうか分かる」といったことを見聞きしたことはないでしょうか。「血液型診断」のようにあくまでも場を盛り上げる話題の一つのような「指の長さ診断」ですが、実は科学的に根拠があるかもしれないと言われています。

今回は2018年夏に発表された「指の長さと同性愛」についての研究をご紹介します。


 

「男性ホルモン」の影響


2018年のエセックス大学(イギリス)での研究によると、いわゆる「男性ホルモン」として知られるアンドロゲンを胎内にいる時に多く浴びると、女性に性的魅力を感じやすくなるとのことです。
 
研究者たちは、互いにセクシャリティが異なる成人した32組の双子の指を調べるという方法を採りました。この研究で、女性の場合は左手の人差し指と薬指の長さが大きく異なっていれば同性愛者である傾向が、同じ程度の長さであれば異性愛者である傾向が見られることが分かりました
 
一方、今回の研究では男性の場合は女性のようにセクシャリティと指の長さに関して強い関連性は見られなかったとされています。
 
少なくとも、エセックス大学による研究では「女性なら指の長さとセクシャリティに関連性が見られる」ということが示唆されていることになります。

 
 

研究に対する評価


バース大学でジェンダーやセクシャリティと政策に関しての指導を行っているFran Amery博士は、今回の研究についてPinkNewsに下記のように語っています。
 
「明らかに重要なのは、この研究はサンプルの規模が小さいということです。18組の女性の双子と14組の男性の双子だけですからね。この研究をすべての人間に対して一般化しようとするのは注意が必要です」
 
このように、研究成果が普遍的なものとはまだ言えないと述べつつも、Fran Amery博士はエセックス大学の研究姿勢に対して下記のようにも評価しています。
 
「このような小規模の研究というものは、より大規模な研究を行うための資金の必要性を主張するためのものとしてよく行われるもので、そもそも決定的な成果を出すものではありません」
 
「こうした研究が煽るように報道され、『科学的な』事実として表現されるのは仕方がないことです。しっかりと論文を読めば、筆者が調査結果の解釈について非常に慎重になっているのが分かります

 
 

今後の研究の注意点


Fran Amery博士は「指の長さとセクシャリティの関連」というテーマは研究価値のあるものとも語っています。また、同様のテーマでの研究は過去にもありましたが、エセックス大学の研究は双子を調査対象とした点で非常にユニークとも評価しつつ、今後の研究の解釈についての注意点に触れました。
 
「指の長さとセクシャリティのような関連性が見つかっても、たいていは多くの人には当てはまらないものです。同性愛者やバイセクシャルの人々は、確かに異性愛者の人々と比べて平均より指の長さの割合が少し異なっているかもしれません。しかし、だからといって手を見るだけでセクシャリティが判別できるということには決してならないでしょう」
 
博士の言うように、研究自体はユニークですし、同性愛やホルモンの関係性について科学的な知見が得られる有益なものになるでしょう。また、実際にこのような研究では研究者自身が断定的な結論を出していないことが多いです。研究を誤った方向に解釈、悪用しないように注意すべきなのは、メディアやそれを視聴する私たちかもしれません
 


【ソース】
PinkNews (英語)


 

WRITERこの記事の投稿者

仲泊

 
ゲイ&ダブルマイノリティのリアル
ゲイとりっぷ!

統合失調感情障害という精神疾患を抱えながら、音楽関連の研究者を目指しているゲイのミュージシャンです。公式ブログもぜひご覧ください!


      
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