外国人に聞いた海外のリアルなカミングアウト事情

 

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外国人に聞いた海外のリアルなカミングアウト事情

2018.11.04

  
 
主に欧米圏の各地で同性婚が認められるなど、セクシャル・マイノリティの権利が国外で幅広く認められるようになっているのは皆さんご存知でしょう。それを知ると、日本はなんだか遅れていると思うかもしれませんし、実際にそうかもしれません。

では、日本人が「同性愛が認められている」と感じる国々の実情はどうでしょうか。今回は台湾とアメリカ、スウェーデンの友人に許可を取ったうえで、これらの国でのリアルなゲイのカミングアウト事情をご紹介します。


 

台湾のゲイは意外と大変?


台湾と言うと、最近かなり同性愛者の権利が認められるようになったので、アジアの中でもLGBTに対して非常に開かれたイメージを持っている人が多いでしょう。
 
また、ゲイも含めて日本には台湾が好きという方が多いですし、台湾でも日本の文化は非常に人気です。このようにポジティブなイメージの強い台湾ですが、台湾人のゲイの友人いわく、実際はいろいろと大変なことの方が多いようです。
 
まず、台湾では2017年に同性婚が「合法である」と認められはしましたが、実際にそのような法律が施行されたわけではありません。つまり、まだ同性婚ができる状態ではないのです。
 
さらに、台湾は「家族」、「血縁」というものを非常に大事にする文化が根強いようで、特に長男に対する期待は壮絶なものがあるようです。友達は「親にカミングアウトなんて絶対にできない」と言っていました。その背景には「息子は女性と結婚して孫を親に見せるべき」という、日本で言うところの「伝統的な家族観」が強く残っているという事情があります。
 
LGBT関連の啓発イベントも多く開かれていますが、周りにゲイの人々がいて当たり前という認知は国民にそれほど浸透していないと友人は嘆いていました。実は友人にも家族にもカミングアウトしていない、できないと感じているゲイは台湾にはかなり多いらしいですよ。
 
台湾のゲイ友からすると、日本の方が「伝統的な家族観」から解放されつつあるし、テレビではオネエタレントが活躍していたり、LGBTの議論が盛んに行われていたりするので、同性婚こそ認められてはいないものの、カミングアウトしやすい環境はむしろ日本の方が整っているのではと感じるぐらいだそうです。
 
ついつい良いイメージが先行しがちな台湾ですが、このような影の部分を知ることは、今後の台湾・アジアのセクシャル・マイノリティの環境整備を推し進めるにあたって欠かせないことですね。

 
 

激動するアメリカ、自由なスウェーデン


次はアメリカ出身で、現在はスウェーデンに住んでいるゲイの友人から聞いた両国のカミングアウト事情をご紹介します。
 
アメリカについては州によって雰囲気は異なるものの、イメージ通りLGBTの権利は幅広く認められていて、カミングアウトもしやすかったようです。ポイントはそれが「過去形」になりつつあるということです。
 
日本にいてもトランプが大統領になってから何かとアメリカは激動の時代を迎えているという印象がありますが、実際にアメリカにいると、その激しさは想像を絶するものがあるようです。
 
もちろん広い国なので地域差はありますが、トランプが大統領に就任してからはセクシャル・マイノリティに対する風当たりが強くなっていて、以前よりカミングアウトの敷居が高くなったように感じられるとのことです。
 
また、やはり宗教(主にカトリック)との対立は根深く、家族の宗教的な事情でカミングアウトなんて絶対にできないと考えていたり、ゲイでありながらカトリック教徒でもある人はそのことに強い罪悪感を抱えていたりするという現実があります。
 
一方、スウェーデンはイメージ通りLGBTに関して非常に寛容とゲイ友は感じているみたいです。ゲイであると告白することが「カミングアウト」というほど身構える必要もなく、それが自然と受け入れられることが圧倒的に多いそうですよ。
 
もちろんスウェーデンにもアンチLGBTの人々は存在するでしょうが、それでも日常ではゲイとして生きることが特に気を張ることではないそうで、ゲイが自然と過ごせる環境があるというのは素敵ですね。


 

まとめ


プラスのイメージの強い台湾が意外にもゲイにとって肩身が狭いというのは、日本人の多くにとっては意外だったのではないでしょうか。また、アメリカがトランプ大統領の登場を機にやはり大きく変化したこと、スウェーデンがイメージ通りだったことは興味深いですね。

各国のゲイ、セクシャル・マイノリティの事情を考えることは日本のLGBT事情を客観的に見る上で役に立つので、ぜひ皆さんも海外情勢にアンテナを張ってくださいね!


 

WRITERこの記事の投稿者

仲泊

 
ゲイ&ダブルマイノリティのリアル
ゲイとりっぷ!

統合失調感情障害という精神疾患を抱えながら、音楽関連の研究者を目指しているゲイのミュージシャンです。公式ブログもぜひご覧ください!


      
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