第30話:本当は中性的な名前がよかった

 

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2018.12.04
皆さんこんにちは。Jitianです。



もう年の瀬もすぐそこということに大変驚いていますが、でも今年の冬は暖かいですね。

私は未だに薄手のコートすらほとんど着ていません。



年の瀬となるとあちこちで開催されるのが、忘年会。

勤務先もそうですが、いくつか参加させていただいているコミュニティから「2018年最後のオフ会」のお知らせも、ちらほら届いています。



で、交流会やオフ会となると必ず聞かれたり書いたりする必要が出てくるのが、「呼ばれたい名前」です(セクシャルマイノリティに限らないかもしれませんが)。

別に本名でもいいし、本名が何かしらの理由があってもなくてもあまり好きでなかったり、普段の生活への影響を懸念して別の名前を立てたり、もうそういうこと関係なしにおよそ現実では実在しないようなファンタジックでユニークなものでもいいし。
何でもよすぎて、オフ会に参加し出した頃は正直結構困っていました。





ところで少し話は変わるのですが、私の本名と元の名前の読みがほとんど近い(もしくは同じ!)FtMさんが2人ほどいて、うちお一人とはたまに交流会でもお会いするのですが(別に私の本名はその方にはお伝えしていないのですけど)、その方の昔の名前と今の名前を知ったときに「へえ~元の名前の漢字を生かしてそうやって改名してるんだ~」と感心したことがあります。

Mtの方もFtの方も、どこかで似たような経験をされていないでしょうか。



というわけで、今回は名前の話をしたいと思います。

名札

本名を好きになれない


私の下の名前は、見ただけで女性と認識される名前です。
つまり、「○子」と、末尾に「子」が付くのです。

本当に小さい頃は、特に名前に対して何とも思っていませんでした。
その頃は身体違和もほとんどなかった頃なので、自分という存在から「性」を何も感じていなかったのだろうと思います。
別に気に入っているわけでもなければ、嫌いというわけでもありませんでした。まあ、関心がなかったのです。

逆に言うと、小学校高学年に上がったころに二次性徴に伴って身体違和を感じるようになったのですが、同時期に自分の名前にも「『ユウキ』とか『ツバサ』とか、聞いただけではどちらの性別か分からないような、中性的な名前がよかった」「そんなに怒ってはいないけど、何でよりによって親は『子』を付けちゃったかな」と、だんだん不満をもちはじめました
(この記事を書くに当たってアイデア出しをしていたときに「この段階ですでにしっかりとした性別違和があったんじゃん」と気付きました。)

また、自分の「呼ばれたい名前』を最初に作ったときのことも思い出しました。
その頃の私の将来の夢はマンガ家で、家で毎日印刷用紙にシャープペンでマンガを描いては、学校に持っていってみんなに回し読みしてもらうということをしていたのですが、そのときのペンネームを「光(ヒカリ)」としていました。
もうこの頃から、私の中では中性的な名前への希望が明確に存在していたのです。



今でも、中性的な名前、というより聞いただけでは「戸籍上の性別が分からない」名前への淡い願望は変わっていません。

今の勤務先は社員数40名そこそこの中小企業なのですが、その中に私と同じ苗字の社員が複数人いるので、便宜上、下の名前で呼ばれることが珍しくありません。
実際、大きな声でフロア中に響き渡るように私の苗字が呼ばれると、私を呼んでいるのか他の人を呼んでいるのか本当に分からないので、下の名前で呼ばれるのは仕方ないことだとは思っています。
しかし、どうしても「子」が付いているこの名前を呼ばれる度に、面倒にもいちいち「私の戸籍上の性別は女性なんだ、そうなんだ」と思い出してしまい、少し憂鬱な気持ちになってしまうのです。
 

 

改名の手続き


ところで、現在ホルモン治療中の方や、また将来治療を予定している方、また治療はするつもりはなくても改名に興味がある、改名したいという方は、トランスジェンダーの方の中には少なからずいらっしゃるのではないでしょうか

実は、私の父も幼少期に改名とまではいきませんが、名前の「読み方」を変えているとのこと。

そこで、今回改名の手続きに関して少し調べてみました。
 

表記を変えるのには正式な手続きが必要

戸籍上の表記からすっかり変えてしまう場合には、家庭裁判所への届け出や許可が必要です。また、その際に「正当な理由」の提示とその審査などもあるようで、正直ハードルが結構高いようです。

「正当な理由」のなかには「性同一性障害」に関わる要因も含まれるとのことです。
たとえば、FtMの人がホルモン治療によって男性として生活できるレベルのパス度を手に入れているのに、名前が私のように「○子」など一般的には女性名として使用されているものであるために実生活に支障が出ている、などということが考えられます。
 

読み方のみならすぐにでも変えられる?!

一方で、表記はそのままに読み方だけ変えたいという場合は、かなり手軽に実践できるようです。
というのも、これは私も初めて知りましたが、戸籍では名前の読み方を定めていないからです。
読み方そのものが通り名とも言えそうです。

ただ、たとえば住民票では読みも登録していますが、これは各自治体の役所(市役所など)で届け出れば登録の読みを変えられるそうです。
また、市役所管轄でないところ(私営のサービスなど、クレジットカードなど)は自分で変更手続きを踏む必要があります。
各所で変更手続きをするのはちょっと面倒かもしれませんが、手続きさえすれば読みは簡単に変えられるというのは、すぐにでも変えたいと思っている人からすれば朗報かもしれません。

ただ、これもそもそもの名前の表記がひらがなやカタカナの場合は、ちょっと難しいかもしれませんね。

近い将来改名をする予定のある方は、ご自身でも改めて調べてくださいね。

 

呼ばれたい名前


さて、セクシャルマイノリティの交流会やオフ会に出たことのある方は、オフ会での「呼ばれたい名前」をどのように決めていますでしょうか

社会人になってオフ会に参加するようになった私は、自分の現在の名前にまったく関係ない中性的な名前をまた付けたい気分でもないし、かといって面白くてユニークで自分で気に入るものもぱっと思いつかないし、というわけで単に「苗字」にしました。

最初はとりあえずそれで、ということにしていましたが、そのまま現在まで自分の中で定着しています。
その方が、結果的にオフ会以外での実生活とも差ができないし、その方がかえって「自分らしく」いられてよい選択だったかな、と思っています。
(実は、ネット上でのHN「Jitian」は、その苗字の読み方を変えただけです。)



苗字だけというのは淡泊にも見えがちですが、でも結果としてちゃんと私の「呼ばれたい名前」にもなったので、結局のところ、私にとっては名前から戸籍上の性別を連想しないようなものだったら何でもよかったのだな、と思っています。



さて、皆さんは呼ばれたい名前を尋ねられたら、どう答えていますか?
そもそも、本名以外で呼ばれたい名前というものはありますか?
単にあるコミュニティで呼ばれたいという程度でなく、戸籍レベルで改名したいと思っていますか?



皆さんの「お名前」ライフが心地よいものであるように、いつか心地よいものになるように、願っています。

WRITERこの記事の投稿者

Jitian

隣の凡人X~セクマイですが何か~

Xジェンダー、パンセクシャル。常駐しているTwitterと気が向いたら書いているブログもよろしくお願いします!

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