育児・介護休業法の改定と育児(後編)

 

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育児・介護休業法の改定と育児(後編)

2017.11.19

 
こんにちは!らいおんです。

この記事は、私が人事採用担当としてLGBT当事者の方と面接した際に
「なるほど、こういうことに困っていらっしゃったのか!」
と知った知識を皆様に少しでも共有したい、という思いから書いています。
解決策を見つける、というよりも感想に近いものになってしまいますが、
1人でも多くの方、欲を言えば企業の人事の方に見て頂き、
LGBT社内施策の整備などのヒントになれればなーと思っております。

さて、前回に引き続いて「育児」について、
LGBTに関連することを書いていきたいと思います。
今回は現在の日本の法律や、企業に求められていることなども絡めて
まとめていきます!
 

育児・介護休業法では


前々回の「介護」でも触れたのですが、
育児・介護休業法の改定が、平成29年10月1日施行されました。
LGBT当事者の育児、という面でも関係してくると思いますので、
以下でご紹介させていただきます。
 
この法律で対象となる「子」とは…
 

ハ 「子」とは、①労働者と法律上の親子関係がある子(養子を含むものであること。)、②特別養子縁組を成立させるために養親となる者が養子となる者を6か月以上の期間現実に監護しているときの当該期間(以下「監護期間」という。)にある者、③養子縁組里親に委託されている者及び④特別養子縁組により養親となろうとする者又は養子縁組里親に準ずる者として厚生労働省令で定める者に厚生労働省令で定めるところにより委託されている者をいうこと。なお、育児休業期間中に養子縁組が成立した場合には、法律上の子となるため、3引き続き育児休業をすることが可能であること。また、子の看護休暇、育児をする労働者についての所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、育児のための短時間勤務措置等についても同様であるが、介護休業、介護休暇等介護に関する制度については、①のみをいうものであること。

出典:法改正に関する、厚生労働省から都道府県労働局長への通達 改正平成29年9月29日雇均発0929第3号


ふむふむ、なるほど。
…そうです。
養子・里子として育てられている子どもも、育児休業の対象となるのです。
 
これまでの法律では、監護期間中は育児休暇を取ることはできませんでした。
もしも乳児を受け入れたい、と思っても育児休暇を取ることができないため、
両親のどちらかが仕事を辞めるなどして家庭に入らなければなりませんでした
しかし、共働きでの育児が当たり前になってきているこの時代で、
ようやくそれが法律で変わったのです。
特にLGBT当事者カップルだと、お互いに働いている、
というケースが多いのではないでしょうか。
 
この法改正で、LGBT当事者に限らず
養子・里子を受け入れたい、育児をしたい、
と思っていたけれども踏み切れなかった、
という方も少しずつ状況が変わっていくことが期待できます。
 

企業に求められているのは


では、法律による地盤ができたところで、
実際に企業側がLGBTの子育てに関して支援できる部分とは?
 
ここで考えて頂きたいのは、
特別養子縁組で養親や里親となった社員が
育児休業をできる制度が、
きちんと企業内の就業規則に取り入れられているか?
という点です。
これはLGBTでもそうでなくても必要なはずです。
元々整備されている企業さんもあるかもしれません。
 
しかしない場合には、
両親となったLGBT当事者がいざ申請しようとしたら
うちの企業の就業規則にはなかった…
という事態も起こり得るのです。
 
就業規則になくとも法律の方が効力は上ですが、
それでも社員側からしてみれば企業に申立てをするなんて、
なかなか抵抗が大きいですよね。
企業側から「積極的に福利厚生を利用しなさいね」
という姿勢を示す
ことが必要ではないでしょうか。
 

父親の育休のとりづらさ


さて、法改正されたと言えども、
これまで既に制度は整っていてもまだまだ浸透していない男性の育児休業。
厚労省のデータでも実際に育休は取りにくい、というアンケート結果があるようです。
 
夫婦であっても抵抗がある、という中で
LGBT当事者の夫夫・婦婦での取りづらさはさらにあるでしょう。
いち企業だけではなかなか変えていくことは難しく、
こちらも社会全体で意識を変えいきたいですね。
 
現在「男性社員が育休が取りやすい会社」というものが
東洋経済さま四季報プラスワンでデータを拝見できますので、
リンクを貼らせて頂きます。  ⇒こちらより!

驚いたことに、こちらのデータで同率1位の3社、
日本生命、古河機械金属、シーボン (敬称省略)では
男性の育児休暇取得率が100%なのです。
(期間は短く、1週間ほどのようですが…)
 
そして、当然のように3社とも
ダイバーシティ推進部や教育の機会が設けられています。

LGBTに関しても取り組んでいる、と言い切れませんが、
ダイバーシティの概念を企業として積極的に取り入れ、
変わろうとしている企業だ
ということが見て取れます。
 
ストレート夫婦で父親が育休を取るのもまだまだ浸透していない状態で、
LGBTのカップルの育児休業、となるとさらにハードルが上がります。
男女・ストレート・LGBTに限らず、
全ての社員が必要な時にきちんと福利厚生を利用できるよう、
制度だけでなくLGBT教育を始めとした企業側の努力も不可欠です。
 

LGBTへの偏見


前回記事でご紹介した
大阪の男性カップルが里親認定された時にも、
「親が同性愛者なんて」という批判的な声もあがり、
悲しいことにLGBTへの偏見はまだ強いと感じさせられました。
 
何らかの事情があって実の親と暮らせない子どもがいて、
子どもを育てたいと思う夫婦・カップルがいる。
きちんと愛情を持って育てることができるのなら
「子どもを守る」というこの制度の目的に適うもののはずです。
こうした点は、企業側でもLGBTに関する社内教育を行う事などで
微力ながら対策していけると思います。
 
「ダイバーシティ推進」へ社会全体が動きだそうとしている今こそ、
LGBTに限らず、大きな視野を持って
それぞれの生き方を尊重できる企業・社会を作っていきたいですね。
 

まとめという名の独り言


前々回の介護から今回の育児に関して様々なことを調べてみて、
LGBT当事者でも非当事者でも、
セクシュアリティ以外の部分では
大変な部分もほとんど同じなのではないか
と感じました。
 
介護の面、育児の面。
人間誰しも生きていれば大部分の方が直面する問題です。
その問題に関して、マジョリティのみに適応するものではなく、
LGBTなどのマイノリティを含めた全ての方々が
享受できるサポート体制が企業には必要なのだ
と思います。
 
そのために、私たち企業側の人間が
多様性を理解する努力をし、
LGBTをはじめとするマイノリティの方でも、
気遣いをせずに働ける環境づくり、
また全社員が福利厚生を当たり前に享受できる体制を
調える必要があると感じました。
 
社員が「この企業で働いてよかった」
と思えるような制度を整備し、
みんなが気持ちよく働ける企業が増えると良いですね。


それでは
 

WRITERこの記事の投稿者

らいおん


人事らいおんの小耳にいれたいお話
らいおんにまつわるエトセトラ(漫画)


レインボーライフのほのぼの日常生活のマンガや、人事目線のダイバーシティに関する記事を執筆。

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