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2017.09.13

性同一性障害(GID)とは?


多くの人が一度は聞いたことがあるであろう言葉「性同一性障害」。
 
以前、「トランスジェンダーとは?〜性同一性障害との違いや、トイレ問題など〜」という記事でも少し触れましたが、ここでは「性同一性障害」に特化してご説明していきます。
 

◆性同一性障害(GID)の定義◆

 
性同一性障害(せいどういつせいしょうがい、英:Gender Identity Disorder, GID)・性別違和は、出生時に割り当てられた性別とは異なる性の自己意識(Gender identity、性同一性)を持つために、自らの身体的性別に持続的な違和感を持ち、自己意識に一致する性別を求め、時には身体的性別を己れの性別の自己意識に近づけるために医療を望むことさえある状態』をいう医学的な疾患名。やや簡潔に『性同一性(心の性)と身体的性別(身体の性、解剖学的性別)が一致しない状態』とも説明されている。”
 
(出典:Wikipedia 性同一性障害
 
性同一性障害の定義は上のようになっています。
 
つまり、性同一性障害は医学的な診断名です。定義の最後に書いてある「性同一性(心の性)と身体的性別(身体の性、解剖学的性別)が一致しない状態」を表す際に使用されることもありますが、そういった状態を表す際には「トランスジェンダー」という用語が使われるのがより一般的であるというのが私の理解です。
 
性同一性障害を英語でいうと、Gender Identity Disorderになるので、その頭文字をとって「GID」と呼ばれることもあります。
 
性同一性障害の診断を受けていることを「GID診断を受けている」などと言ったりします。
 
 

◆性同一性障害の原因◆

 
“原因は解明されていないが、『身体的性別とは一致しない性別への脳の性分化』が有力で、これが主たる原因と考えられている[49]。”
 
(出典:Wikipedia 性同一性障害
 
Wikipediaによれば、性同一性障害の原因はまだはっきりとは解明されていません。
 
原因がわからないとなんだかモヤモヤするけれど、原因が何にせよ、性同一性障害によって誰かが責められるべきではないと思っています。
 
たまに、性同一性障害の診断を受けたお子さんをお持ちの親御さん(特にお母さん)から、自身の子が性同一性障害であると発覚した時に、「自分を責めた」と聞くことがありますが、私は、親御さんが自分を責めるのは違うと思います。
 
けれど、本人が自分を責めるのもまた、違うと思っています。
 
大事なのは、誰のせいで性同一性障害になったかじゃなくて、この先どう生きていくか。
 
誰かを責めたって、状況はきっと良くなりません。
 
性同一性障害は、大変かもしれないけれど、イコール不幸ではきっとない。
 
自分を不幸にするかどうかは自分次第です。
 
だから性別違和を持っていたって、性同一性障害だって、私は「かわいそう」とは思いません。
 
それって、その人が不幸だって勝手に決め付けている気がするから。
 
けれど、「かわいそう」とは別の次元で、トランスジェンダーや、性同一性障害の診断を受けている方が今の社会の中で、生きて行く困難を抱えているのは事実だと思います。
 
だから、勝手に「かわいそう」と哀れんで終わるのではなく、トランスジェンダーとか、性同一性障害診断を受けているとか、そういったことに関わらず、誰もが生きやすい社会を作っていくべきだと考えています。
 
 

◆性同一性障害特例法◆



性同一性障害に関する法律で「性同一性障害特例法」というものがあります。
 
この法律は2003年に成立し、2004年から施行されたもので、その内容は以下のようになっています。
 
 
“性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
(平成十五年七月十六日法律第百十一号)


最終改正:平成二三年五月二五日法律第五三号
 
 
(趣旨)
第一条  この法律は、性同一性障害者に関する法令上の性別の取扱いの特例について定めるものとする。
(定義)
第二条  この法律において「性同一性障害者」とは、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。
(性別の取扱いの変更の審判)
第三条  家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
一  二十歳以上であること。
二  現に婚姻をしていないこと。
三  現に未成年の子がいないこと。
四  生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五  その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
2  前項の請求をするには、同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。
(性別の取扱いの変更の審判を受けた者に関する法令上の取扱い)
第四条  性別の取扱いの変更の審判を受けた者は、民法 (明治二十九年法律第八十九号)その他の法令の規定の適用については、法律に別段の定めがある場合を除き、その性別につき他の性別に変わったものとみなす。
  前項の規定は、法律に別段の定めがある場合を除き、性別の取扱いの変更の審判前に生じた身分関係及び権利義務に影響を及ぼすものではない。

   附 則 抄 


(施行期日)
  この法律は、公布の日から起算して一年を経過した日から施行する。
(検討)
  性別の取扱いの変更の審判の請求をすることができる性同一性障害者の範囲その他性別の取扱いの変更の審判の制度については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況、性同一性障害者等を取り巻く社会的環境の変化等を勘案して検討が加えられ、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする。
  国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第十二条第一項第四号及び他の法令の規定で同号を引用するものに規定する女子には、性別の取扱いの変更の審判を受けた者で当該性別の取扱いの変更の審判前において女子であったものを含むものとし、性別の取扱いの変更の審判を受けた者で第四条第一項の規定により女子に変わったものとみなされるものを含まないものとする。

   附 則 (平成二〇年六月一八日法律第七〇号) 


(施行期日)
  この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。
(経過措置)
  この法律の施行の日前にされたこの法律による改正前の性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第一項の規定による性別の取扱いの変更の審判の請求に係る事件については、なお従前の例による。
(検討)
  性同一性障害者の性別の取扱いの変更の審判の制度については、この法律による改正後の性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の施行の状況を踏まえ、性同一性障害者及びその関係者の状況その他の事情を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする。

   附 則 (平成二三年五月二五日法律第五三号) 


 この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。 “

(出典:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15HO111.html
    性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律)
 


上記の法律の第三条に記載されているのが、性同一性障害の診断を受けた方が戸籍上の性別を変更する際に満たさなくてはならない要件です。
 
性同一性障害特例法について議論する際、それぞれの要件を以下のように呼ぶことがあります。
 
「二  現に婚姻をしていないこと。」⇒未婚要件
三  現に未成年の子がいないこと。」⇒子なし要件
四  生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。」⇒
手術要件
五  その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。」⇒手術要件
 
この要件は、先進国の中は異常に厳しい内容です。
 
この要件が設けられていると、結婚してから自分の性をはっきりと自覚した人が愛するパートナーと婚姻関係を解消しなきゃいけない。
 
子供ができてから性自認が揺らいだ人が、その子が大人になるまで、社会的に自分の望む性で生きることができない。
 
命を危険にさらして、子供を産めない体にしないと望む性で生きることができない。
 
これは酷すぎると思います。
 
シスジェンダー(生物学的性と性自認が一致している人)でヘトロセクシュアル(異性愛者)の人々に認められているいくつもの権利が認められていない。
 
手術要件にいたっては、本人の命に関わることです。
 
これらの要件が設けられている理由として、「社会の混乱を防ぐため」なんていうことをよく聞くけれど、「混乱」と「人の命」とどっちが大切なんでしょうか。
 
「混乱」は、一度起きたってちゃんと説明して話し合えば分かる。
 
でも、「人の命」は一度なくなったら二度と取り戻せません。
 
しかもしかも、性別適合手術(SRS)には保険が適用されません。
 
手術を受けようと思ったら、数十万以上のお金を実費で負担しなくてはなりません。
 
この状況はどう考えたっておかしいです。
 
誰もが「なりたい自分になれる」社会を目指すべきだと思います。

 
◆性同一性障害の登場人物が出てくる映画◆


 
※この内容は一部ネタバレを含みます。
 あらかじめご了承下さい。

 
性同一性障害に関わる映画の中で、私が特に印象に残っているもの。
それは、「リリィのすべて」と「彼らが本気で編むときは」です。
 
 
【リリィのすべて】
 
「リリィのすべて」は、男性自認だった方が、絵かきをしている妻のモデルとして女性物の衣類を身にまとったことをきっかけに、自分の中の女性性に気付き、女性として生きるため、世界で初めての性別適合手術に臨むという物語です。
 
この物語で描かれている「リリィ・エルベ」さんは、実在した人物です。
 
性別適合手術が行われたことがない時代だったので、当時は多くの病院で「生物学的性と性自認が一致しないこと」が精神疾患として扱われ、映画の中でもリリィさんは様々な病院から「精神異常者」として拘束されないように逃げ回っていました。
 
その姿を見ていて、本当に苦しかったです。
 
それでもパートナーと共に医師を探し続け、手術に臨むリリィを見て、「すごいな」と思いました。
 
リリィの望みを叶えるために本気で協力するパートナーのゲルダの姿もとても印象的でした。
 
性別を超えた二人の愛に何度も泣きそうになりました。
 
 
【彼らが本気で編むときは】
 
「彼らが本気で編むときは」は、生田斗真さん演じるMtF女性(リンコ)と彼女のパートナー(マキオ)、そしてパートナーの姪っ子(トモ)を取り巻く変化を描いた物語です。
 
こちらの作品は一人で見に行ったので、思う存分泣きました。笑
 
母子家庭で、母が家を空けることも多い環境で育ったトモが、リンコからたくさんの愛情を受け、二人の絆が深まっていくのを見ていると、ともて心が温まりました。
 
リンコに対する周囲からの偏見と本気で戦って、リンコを守るトモの姿がとても感動的で、涙が止まりませんでした。
 
リンコをトランス女性としてではなく、「リンコという一人の人」として見る。
 
そんなトモの姿が本当に素敵でした。
 
大人になるにつれて、性別とか、学歴とか、職歴とか、肩書きがどんどん増えて、目の前にいる誰かを純粋に「その人」として見ることが難しくなるけれど、相手を単純に「その人」として見ることの大切さを思い出させられた気がします。
 
 
◆性同一性障害の診断を受けている芸能人◆
 
昨今、テレビでは「オネエタレント」が毎日のように登場し、セクシュアルマイノリティの世間的認知は少しずつ高まってきている気がします。
 
しかし、テレビを見ている人の多くは「オネエタレント」というざっくりしたくくりの中に含まれている人それぞれのセクシュアリティまでは理解していないように思います。
 
テレビでよく見るタレントさんの中で、以下の方々は性同一性障害の診断を受けています。
 
はるな愛さん
 
KABA.ちゃん(樺島一華さん)
 
GENKINGさん
 
はるな愛さんは、本名が「大西賢示」であることを公表して活動をし、見た目は女性なので、お気付きの方も多いかもしれません。彼女の場合、性別適合手術を受け、女性らしい身体を手に入れています。性別適合手術を受けるためには、性同一性障害の診断が必要となります。なので、彼女は性同一性障害の診断を受けている、MtFというセクシュアリティになるかと思います。
 
KABA.ちゃんは比較的最近性別適合手術を受け、女性らしい身体と見た目を手に入れ、声帯手術をして声も変えましたよね。
若槻千夏さんとの対談動画で、手術についても語っていました。
彼女もMtFというセクシュアリティです。
 
GENKINGさんは今年1月に自身のInstagramで、性同一性障害の診断書の画像と共にご自分のセクシュアリティをカミングアウトしましたよね。
これは皆さん記憶に新しいんじゃないかと思います。
「私のオカマは病気です」というタイトルから始まったこのInstagramの投稿。
GENKINGさんのこれまでの苦悩が感じられる内容で、胸が苦しくなりました。
 
 
テレビの中では、「オネエタレント」というくくりで異なるセクシュアリティの方々がくくられ、笑われたりしています。
 
単純にそのタレントさん自身が周りを笑わそうとして言った言葉に笑ったりすることは全く問題ないと思います。
 
でも、人のセクシュアリティに勝手に踏み込んで、それを笑いにするのは違うのではないでしょうか。
 
性同一性障害の診断を受けているタレントさんやトランスジェンダーのタレントさんが、望まない性として扱われ、それを笑いにされ、どれだけ苦しい思いをしてきたのだろう。
 
セクシュアリティについてあまり知らなかった頃の自分は、そんなタレントさんたちの思いを知らず、何度見過ごしてきたのだろう。
 
そんな風に考えると、胸が苦しくて、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
 
こんな風に、周りの人が気にも止めずに見過ごしてしまう、笑ってしまうのはきっと、様々なセクシュアリティの存在や違い、そしてタレント当人の性別に関する考え方や苦悩を知らないからだと思います。
 
悪意なく人を傷つける発言をしてしまっている人は、テレビ業界にも、一般層にもきっとすごく多い。
 
だから、「知る」ことはとても大切です。
 
トランスジェンダーと性同一性障害の違いや、他の様々なセクシュアリティの認知がもっと高まれば、知らないうちにセクシュアリティの話題で人を気付けてしまうことも減るのではないかと思います。
 
 
◆まとめ◆
 
性同一性障害やトランスジェンダーに関して、今の日本には解決すべき課題がたくさんあります。戸籍の問題から、学校での問題、職場での問題など、ライフステージにおいて重要なポイント毎に様々な問題があります。
他のセクシュアリティに比べて、トランスジェンダーの方の自殺率が高いことがこれらの問題の深刻さを物語っています。
これらとしっかり向き合って、心ない言葉に傷つく人や、自ら命を絶ってしまう人が一人でも減るようにしなくてはなりません。
 
これは国として、社会として取り組むべき課題です。
 
「日本」として性同一性障害やトランスジェンダー、そしてセクシュアルマイノリティの課題に取り組める日が一日も早く来ることを切に願います。
 

※定義以外の部分は、あくまで個人の意見です。

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