ゲイが詠んだ短歌集『メタリック』

 

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ゲイが詠んだ短歌集『メタリック』

2018.08.07

 
こんにちは!ゆうじボーイです。
夏真っ盛りですね。皆さまいかがお過ごしでしょうか?
 
ぼくの本業は子どもと関わる児童館のため、朝から晩まで子どもがいる夏休みのこの時期は結構忙しく過ごしています。
子どもは汗だくになっても気にせず平気で遊んでいるから気楽なものですよね。ぼくも子どものように暑さや汗臭さなんて気にしないで生きていたいなと思います(笑)。


 
 
 
さて、今回はオープンリーゲイの作者が書いた短歌集について書いていきます。
 
予め断っておきますが、ぼくは歌集の嗜み方はこれっぽっちも知りません。そもそも日常生活の中で短歌を目にすることもないので、短歌に触れるのは高校生以来だといっても過言ではありません。
 
そんなぼくがなぜ短歌集を見てみようと思ったのか、その理由を考えてみると、やはり“ゲイの作者が書いている”ということが大きいです。
 
 
まず、“短歌”という文学を用いることでそれまでゲイやLGBTに興味関心のなかった世代や層の人たちに、“ゲイ”について考えるきっかけをもたらしているという点で、今回の作品の意義深さを強く感じています。
 
そして短歌には、俳句と違って季語を使わなければならないという制約がなく、より日常のささいな出来事を詠むことができるという特徴があるという点についても魅力的に感じています。
五七五七七の五句三十一音で表現する短歌は、一見すると文章量が少なくて書きづらそうに思えますが、逆に少ない言葉数だからこそより凝縮したメッセージ性を詰め込むことが可能です。また、五句三十一音という形式があるからこそ、一つひとつの日常の出来事や感じたことを創意工夫して型に収まるよう表現できるのではないでしょうか?
 
 
ゲイのささいな日常を短い文章量の中でどのように表現しているのか非常に興味深いです。
―― 「あるある!」と共感できるのか?
―― 芸術的センスに魅了されてしまうのか?
 
自分が短歌に対してどのような感想を抱くのかは未知数ですが、短歌初心者の20代ゲイとしての率直な意見を述べたいと思います。
 
今回ご紹介する本はこちら!!


 
メタリック  
メタリック
2018年5月21日 初版発行
著者 小佐野彈
発行 短歌研究社
 

本書の構成と内容について


 
本書は第六十回短歌研究新人賞を受賞した「無垢な日本で」という短歌を含む歌集となっています。短歌研究新人賞は短歌を詠む人のための登竜門的な賞として知られ、未発表の近作短歌30首で構成した作品が評価対象となります。
 
「無垢な日本で」は当事者の視点からLGBTを主題とした短歌を創作しており、現代社会が抱える問題を独自な切り口で表現しているところが評価されたのかなと思います。
 
 
作品の中には「同性婚」「虹の戦旗」「新宿」といったゲイを連想される単語も少なくありません。また、作者の実体験に基づくと思われるリアルな描写も多く、ゲイとして生きる男性の等身大の様子を表しているということを窺い知ることができる作品だなと感じました。
 
 
参考までに本書の目次(作品のタイトル)載せておきます。それぞれの題目は10~30の短歌で構成されていて想像以上に読み応えがありました。

 
1 無垢な日本で
  メタリック
  血流は雨
2 Ilha Formosa
  絵手紙をかく
  サドンデス・ゲーム
  さう、これは海
3 ページェント
  秋雨は亀裂
  ある春の記憶
  茘枝
  ライダースジャケット
  はたちの事件簿
  花と鉄格子
  曇天の瀉血
4 川は流れる
  残照
  おやすみ、ドロシー
  鳥の消息
  NIPPONIA
解説 水原紫苑
解説 野口あや子



目次だけではどのような短歌が連なっているかイメージできないと思うので、気になる方はぜひ手に取って読んでみてください。
 

     

WRITERこの記事の投稿者

ゆうじボーイ


ゲイの図書館

児童館に勤めています。仕事もほぼ遊び、休日も遊びの日々。
男性が大好きです。好きなタイプはアナウンサーっぽい誠実な人。

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