オトコに恋するオトコたち 誰も教えてくれなかったセクシャル・マイノリティの世界

 

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オトコに恋するオトコたち 誰も教えてくれなかったセクシャル・マイノリティの世界

2018.01.30



こんにちは!寒さもひとしお身に染みる今日この頃。
毎日通勤に往復2時間30分かけている「ゆうじボーイ」です。
 
 
今回からゲイのぼくが「読みたい」「好き」と思った本を一冊ずつ紹介していきます。
 
「ゲイの図書館」の連載を始めるにあたって、初回に選ぶ本をどうしようか結構悩みました。
 
LGBT関連の書籍の中でも、ゲイ(男性同性愛)を題材とした作品は特に多くて、

当事者の男性が書いたもの・女性が空想しながら創作したもの(いわゆるBL)・学術的なもの・性描写が過激なもの・古典作品などなど……
 
とにかく種類が豊富なのです。
 
そのため、読む本に偏りが生じることで、ゲイに対する誤った知識、夢見がちな妄想といった弊害を招いてしまう可能性があるかもしれません。
 
そういった点を踏まえ、ゲイフレンドリーな人を少しでも増やしたいというぼくの思惑もあり(笑)、選んだ一冊はこちら!!

 



 

オトコに恋するオトコたち
―誰も教えてくれなかったセクシャル・マイノリティの世界―


2015年11月10日 初版発行
著者 竜 超
発行 立東舎




 

この本を読もうと思った理由

 
まずはゲイの基本的な知識をわかりやすく、おもしろく、そしてゲイが当事者目線で書いたゲイへの偏見のない本を読みたいなと思ったときにこの本を見つけました。
 
著者の竜超(りゅうすすむ)さんは「薔薇族」というゲイ雑誌の二代目編集長をしており、セクシャルマイノリティへの造詣も深く、文章もわかりやすいので読みやすいです。
 

表紙のデザインはBL風の美青年2人が足を絡め合うというもので、
 
「こういった男のイラストはゲイ受けしないよなぁ…」
「女性(特に腐女子)向けの本なの?」
 
という心のツッコミが入りましたが(笑)、中身はノンケ読者を対象としており、ゲイが読んでも楽しめる内容だと思いました。
 
 
 

セクシャルマイノリティの現実を、ゲイ視点で

 
本書は以下の4つの内容で大きく章立てされています。
 1,セクマイはじめの一歩
 2,新宿二丁目のヒミツ
 3,伝説のG雑誌『薔薇族』
 4,ちょっとディープなセクマイ話
 
本の前半では、LGBTに関する勉強をしてこなかった人が読んでも分かりやすいよう、セクマイの現実がゲイ視点で書かれています。
 
「ゲイはみんなオネエ言葉使うの?女装するの?」
「ゲイは一瞬で相手が“お仲間”かどうかわかるの?」
 
といった、ゲイからしてみたら「そんな初歩的なこと聞く?」と言いたくなるような疑問にも(笑)、著者は丁寧に答えています。
 
 
章を進むごとに、ゲイ雑誌や昭和のゲイ業界の歴史やゲイの政治的ムーブメントといった深い内容にも言及しています。
ここまで来ると、ゲイのぼくでも知らないことがあって勉強になりました。
 
また、巻末にはゲイカップルの日常をテーマにした付録マンガが載っています。
マンガはゲイの作者がキャラクターを書いていて、めちゃくちゃ好きな絵でした(笑)。
 

 

この本を読んで考えたこと


読んでいておもしろかったのは、著者である竜超さんが昭和から平成にかけて見てきたゲイ業界の変遷や、出会ってきたLGBTやノンケとのエピソードの数々です。
 
 
その中でも特に印象に残ったのは、ゲイの著者から見たLGBTのG以外(レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダー)への考え方。
 
ぼくはゲイ以外のセクシャルマイノリティの人とはほとんど会ったことがなくて、だけど同じ括りで語られることが多いから、なんとなく“お仲間”だと思っていました。
 
しかし著者はLGBTの関係を「日本・中国・韓国・北朝鮮」にたとえ、西洋人から見たら見た目は似ているけど国民性は全然違うと表現しています。これには「そうそう!」というより、むしろ「えっ、そんなに違うの?」と驚きました。
 
ゲイ初心者のぼくからしたら、レズビアンの人の考え方はゲイとほぼ一緒で、好きになる人が男か女かの違いだけだと思っていました。
 
けれどもさすがに男女の性差というのは大きく、同じ同性愛では括れない価値観や文化の違いがあることを忘れてはいけないと感じました。例えば、女性は同性愛・異性愛に限らず、人前で女性同士手をつなぐといったスキンシップをすることがありますよね。
 
また、例えば男性同士の恋愛は、恋人よりもセックスフレンドを求めている人が多い傾向にありますよね。
 
 
そういった違いを分かったうえで、ぼくもゲイ以外のセクシャルマイノリティの人たちと関わる機会を持つべきだなと考えさせられました。

セクシャルマイノリティが別のセクシャルマイノリティに対して偏見を持ってしまったり、不快な思いをさせてしまったりという事態を生み出してしまったら嫌ですよね?
 
この本では、他にもゲイとトランスジェンダーの相性などについて言及しています。
 
著者が経験したゲイとゲイ以外のセクシャルマイノリティとのエピソード、ノンケ女性とのエピソードはおもしろかったので、ぜひ直接本を読んでみてください。
 
 
また、昭和のゲイ事情についての記述も興味深く読みました。
 
インターネットのなかった時代、ゲイ雑誌がゲイの情報収集や出会いのツールとして機能していたことに想いを馳せ、今のゲイ環境への感謝の念が湧きました(笑)。
 
昔のゲイは雑誌の文通欄の文字情報だけでお見合いをしていたということなので、その当時のゲイの気持ちが知りたいし、文通欄の中身が気になりますよね。

「いつかはゲイ雑誌を読むぞー!」と心に決めたのでした。

 
 
 
この本はあとがきにもある通り、主に“ノンケ男女”を読者として想定しています。ぼく自身もたくさんのノンケに読んでほしいと思う内容でした。
 
ただ、ゲイのぼくでもタイトルと表紙のデザインのあからさま感から本屋での購入には躊躇したので、特にノンケ男性はなかなか手に取りづらいかもしれません。
 
しかしノンケ男性にはぜひぜひ読んでほしい内容なので、買ってプレゼントしてあげるのが良いかもしれませんね!
 
 
 

次回のゲイの図書館は……?

 
今回紹介した「オトコに恋するオトコたち」を読んで、ゲイ雑誌を早速読んでみたいと思ったのですが、それ以前にゲイである自分がもっとLGBTのことを知るべきだということも痛感しました。
 
そこで、次回もLGBT当事者によって書かれたセクシャルマイノリティ入門書を読みたいと思います!!
もっとG以外のLBT、さらに表現しきれないセクシャリティのグラデーションにいる人たちのことを知りたいですかね~。
 
実はぼくの職場の児童館には、同じ施設内に小さいながら図書室がありまして、そこに所蔵されているLGBT本を読みたいと考えています。乞うご期待!
 

 

WRITERこの記事の投稿者

ゆうじボーイ


ゲイの図書館

児童館に勤めています。仕事もほぼ遊び、休日も遊びの日々。
男性が大好きです。好きなタイプはアナウンサーっぽい誠実な人。

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