15日目:カミングアウト(前編)

 

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2018.09.10

みなさんこんにちは!
先日、1日に2回椅子から落っこちたりっつです。

私事なのですが、先月の8月をもって、女装を開始してからちょうど1年を迎えました。わぁいぱちぱちぱちぱち。
ようやくハイハイし始められたように思います。  

女装開始から1年を契機に、私は一つ決心したことがありました。

それは「カミングアウト」です。

親しくしている友人には自分のやっていることを知ってほしい。そんな思いがふつふつと湧いてきたのです。  

女装への「後ろめたさ」

では、これまでなぜカミングアウトできなかったのでしょう。

それは、どうしても女装に対して「後ろめたさ」を感じてしまっているからです。

その「うしろめたさ」の正体は「世間体」です。

現在の社会はドラマやバラエティ、SNS、YouTube、マンガなど、女装というコンテンツが社会的にどんどんと進出しているように感じます。そんな中であっても、やはりまだまだ社会的に100%受け入れられているとは言いがたい現状があります。  

例えば、自分の家族は完全女装否定派です。
ひょんなことから女装の話になったときに「気持ち悪いよね」と嫌悪感を丸出しにしていました。私は自分が女装していることをひた隠しにし、無理やり話題を転換した覚えがあります。

また、私が働いている女装バー「魔法にかけられて」ではお客さんの呼び込みのためにチラシ配りをしていますが、「あれって男だよね?」という「奇異の目」で見られることもたまにあります。先日のむん子の記事(フリーハグしてみたよ!)で考察されていたように、チラシ配りの際に感じる視線は

1割好意的、8割無関心、1割嫌悪的

という感覚です。  
その1割の嫌悪的な人々がどこに紛れているのかはわかりません。もしそれが自分の身近な人だったら、と不安になってしまいます。また、面白がられて変な噂を流されたらどうしよう…とか、表向きでは認めていても腹の底がわからない…など疑心暗鬼になってしまうこともあります。そういったもろもろが重なることでカミングアウトは難しいものとなるのです。  

このような様々な葛藤を勘案し、カミングアウトするかどうか、かなり悩みました。これまでの関係が崩れてしまうのではないか、ドン引きされるのではないか…。  

それでも、言わない限りは前には進めません。


私は、3人の親しい友人にカミングアウトすることを決めました。  

ケース1:中学の同級生

私が一人目にカミングアウトしたのは、中学校の同級生Mくんでした。
当時は何かと変わった遊びをしたり、自転車で遠くまで旅に出かけたりするなど、面白いことが好きな友人でした。  

そんなMくんと会うのは約1年ぶりでした。久々に二人で旅に出ようということになり、レンタカーを借りて意気揚々と出発したのでした。しばらく近況や趣味の話をし、ひとしきり観光もしたところで、車中で話すことがあまりなくなってきました。ちょうど雨も降ってきて、雨の時特有の少し重たい空気が車内を覆いました。

りっつ:「ねえ、M。ちょっと驚く話をしないといけないかもしれない」

M:「驚く話?」

雨が強くなってくるにつれ、車の流れが滞ります。


りっつ:「実は僕ね…


車のフロントガラスに流れる雨を見ながら、私は自分が女装していること、そのきっかけ、店で働いていること、ライターをやっていることなどをぽつぽつと話しました。 Mくんなら受け入れてくれるはずだ。そういった根拠のない自信がぐらつくのを感じながら、それでも話すことはやめませんでした。Mくんはひどく驚いた様子で聞いていました。

りっつ:「…っていうことなんだけど」

M:「…正直、驚きが大きすぎて、整理ができない」

りっつ:「そっか」

Mくんの驚いた様子に私も怖気づいてしまい、「変な話をしてしまってごめん」と反射的に謝ってしまいました。本当は変なのではなく、新たな自分の一面を知ってもらいたかったのに、口をついた言葉は、女装を「変」と一蹴する、まさに女装を否定する人々と同じ思考だったのです。私はもやもやしていました。

りっつ:「引いた?」

M:「引くとか引かないとかじゃないんだ、びっくりして頭が働かない」

りっつ:「…そうだよね」

M:「でも、何かの分野で結果を残しているのならすごいことに違いない、応援するよ」  


その後は写真を見せたりすることはあったものの、女装についての話はしませんでした。 言うべきだったのかどうか、私には結論が出ませんでした。


その後、この話を記事にしてもいいかと尋ねたとき、「いいよ」という返事が返ってきました。そして、「この前のシュレディンガーの連載読んだよ」との一言が。

話してよかったな、と思いました。また今度、飲みに行こうと思います。
 

ケース2:高校の同級生

私が2人目にカミングアウトしたのは、高校同期Kくんです。
高校を卒業して、お互いに異国の地で新たなスタートを切ってからも定期的に遊んでいる友達です。

平成最後の夏だし旅行にでも行こうか、ということで日程を調整し、現地で5か月ぶりの再会をしました。観光をしたのち、宿泊場所を求めて電車移動をしていると、不意に女装の話になりました。  


K:「俺の友達がさぁ、女装してるんだよ」  

りっつ:「まじか」

私は口から心臓が飛び出す感覚を覚えました。自分がカミングアウトするぞという気持ちを持っていただけに予想外の出来事だったからです。  


K:「女装した彼と、遊びに行ったこともあるよ」  

Kくんの話は続きました。私は考えます。この流れならいけるんじゃ…。 ええい言ってまえ、行けるやろ!!  


りっつ:「実は僕も女装してるんだ」  


Kくんの目が見開きました。  

K:「まじか。」  


私はひとしきり女装の話をします。  


りっつ:「…どう、思った?」  

K:「いやまず、友達が女装してるからそんなに驚かなかった。そしてうらやましい。」  

りっつ:「うらやましい?」  

K:「そんな面白い人生歩めてんの最高じゃん。女装なんて最高に楽しそうじゃね?俺も女装してみたいわ」  


頭を金属バットで殴られたかのような衝撃でした。自分がなぜカミングアウトを躊躇っていたのか、自分がとんでもない愚者に思えます。嫌悪感を抱く人が怖かったのは、自分を守るためにすぎなかったのではないか。もっと自分に自信を持てばよかったのではないか。

だって、女装してる時もしてない時も自分は自分だから。  


K:「そもそも女装に対して嫌悪感とかないよ。まあ友達が女装してるからかもだけど。」  

りっつ:「じゃあさ、女装できるお店知ってるんだけど、今夜行ってみない?」  

K:「お、行くしか」  

こちらがその時のツイートです。

その後、Kくんも無事に(?)女装するようになり、今月は二人で女装してお出かけする予定です。
 
次回につづく>

 



 

WRITERこの記事の投稿者

りっつ


現役JD(女装大学生)。目的のない街歩きを楽しむ空気みたいな人。来世は風になりたい。

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