日本における「パートナーシップ制度」と「同性婚」とは?違いと現状を徹底解説!

 

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日本における「パートナーシップ制度」と「同性婚」とは?違いと現状を徹底解説!

2017.06.05

  

 
2017年、台湾で同性婚を認めない現行の民法は違憲だという判断が下され、台湾はアジアの国で初めて同性婚ができる国へ変わろうとしています。対して日本は、日本全国の日本自治体がパートナーシップ制度の導入を始め、盛り上がりを見せています。
 

そんな中、SNSでこんな書き込みを見つけました。
「日本では渋谷で同性婚できるっしょ?」
 

二つを混同している方も多くいるようですが、実際パートナーシップ制度と同性婚は、まったく違うものです。「同性のカップルでないと関係ないじゃないか!」と言われるかもしれませんが、実は全国民に関係があることです。
 
今日は、日本におけるパートナーシップ制度と同性婚の違いや、どうして同性カップルに対する結婚を認める法律が必要なのかということを考えていきたいと思います。
 
     

 

そもそも、日本で同性婚は可能か?


日本では、今現在同性間の結婚(同性婚)は認められていません。
 
日本国憲法第24条1項に「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」、

2項に「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない」と記されています。
 
この両性という言葉が論点になっています。憲法で両性と書かれている部分に焦点を当ててみると、これは男女の両性なのか、それともただ結婚する二人という意味なのかという二つの意味の解釈に取れるからです。

今は、この両性は男女の結婚が想定されているとされ、同性婚は現在の日本ではできないのです。
 

 

日本のパートナーシップ制度とは?


では、最近複数の地方自治体で認められた「(同性)パートナーシップ制度」とは何なのでしょうか。
 
日本で今パートナーシップ証明書や宣誓書が発行されている地域は8都市あり、予定されている都市は2都市あります。パートナーシップ制度を検討している地方自治体はどんどん増えている現状にあります。

2015年11月~ 東京都世田谷区 71組
2015年11月~ 東京都渋谷区 28組
2016年4月~ 三重県伊賀市 4組
2016年7月~ 兵庫県宝塚市 0組
2016年7月~ 沖縄県那覇市 21組
2017年6月~ 北海道札幌市 42組
2018年4月~ 福岡県福岡市 18組
2018年7月〜 大阪府大阪市 3組
2018年8月〜 東京都中野区
2019年4月予定 千葉県千葉市
時期未定 東京都港区
時期未定 埼玉県さいたま市
(2018年6月 神戸新聞ネクスト調べ)

 

世田谷区パートナーシップ宣誓書の例
(出典:世田谷区「
パートナーシップ宣誓書について」)

 
 

札幌市のパートナーシップ制度を例として見てみると、説明はこのようにされています。


 


札幌市が行うパートナーシップ宣誓制度は、性の多様性を尊重する取組として、自分達の存在を公に認めてほしいとする当事者の気持ちを受けとめるものです。
具体的には、性的マイノリティの方がパートナーとして宣誓する手続きについて、札幌市の内部規定である要綱により定める制度であり、法的な権利の発生や義務の付与を伴うものではありません。

札幌市「札幌市パートナーシップ宣誓制度に関するQ&A」)


 
つまり、日本におけるパートナーシップ制度とは「法的に効力はないけれど、君たちを結婚していると認めるよ!」ということを証明するものなのです。全く法的な保障がないので意味がないのではないかとパートナーシップ制度を疑問視する声もありますが、法的な保障の付く同性婚への礎となるのではとも言われています。
 
ちなみに、札幌市は政令指定都市で初めてパートナーシップ制度を採り入れました。また、全国で初めて性同一性障害の男女カップルの申請もできる制度になっています。このように、地方自治体レベルで行われているものなので、地域によってパートナーシップ制度には違いが見られます。
 

また、外国における「パートナーシップ」とは、日本におけるパートナーシップ制度とは異なり、シビルユニオン(シビルパートナーシップ)を指します。シビルユニオンは「法的に認められるパートナーシップ関係」であり、法的に認められる関係のためあらゆる保障を受けることができます。日本のパートナーシップとは違うものだということがわかります。



 

日本でのパートナーシップ制度の種類


日本におけるパートナーシップに関する制度は、主に条例要綱の二つがあります。
 
渋谷区には、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」というパートナーシップ条例があります。条例とは法令の一種で、地方自治体の議会の決議を経て決められるもので、いわば「みんなのルール」に当たります。
 
対して、世田谷区には「世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」という要綱があります。渋谷区以外の5つの地域はみんな要綱という形を選択しています。要綱は首長の権限で発行することができ、地方自治体の事務作業などのときに不公平がでないように、要点をまとめて書いた’マニュアル’のようなものにあたります。



 

パートナーシップ制度を結べる条件とは?


渋谷区の申請条件を例にあげて見て見ましょう。

①渋谷区に居住し、かつ、住民登録があること
②20歳以上であること
③配偶者がいないこと及び相手方当事者以外のパートナーがいないこと
④近親者でないこと
ほかの市区も、この文面とほぼ一緒です。

注目してほしいのは、ここの一文。

「渋谷区に居住し、かつ、住民登録があること」

ということは、パートナーシップを行っている地域に住まないかぎりはそこで申請をすることはできません。そして、引っ越した時には申請書を返還する必要があります


 

同性婚とパートナーシップの違い


今の日本において、異性のカップルが結婚をすると、さまざまな法的な義務が発生し、それに伴う保障を受けることができます。同性婚制度は、同性カップルに異性カップルと平等に同等の権利を与えることを法の下に定めるものです。
 
一方、パートナーシップ条例にも要綱にも、法的に同性婚を異性婚と同等に扱うという効力はありません。つまり、一般企業のサービス(携帯会社の家族割制度や保険会社の配偶者適用)などが受けられても、法の下でパートナーとして認められているわけではないので、戸籍上は赤の他人です。結婚ができるわけではないのだからもちろん離婚だってなく、法に基づいて財産分与ができたりということもないわけです。
 

 

同性婚が認められないのは、何が問題?


異性愛者の人は、きっと「同性婚ができなくたって俺たちは困らないぜ!」「同性愛者の問題であって、私たちの問題じゃないわ」といった風に思っている人たちが大半でしょう。
 
しかし、同性間の結婚が認められないということは、同性愛者だけの問題ではありません。同性愛者が結婚を認められないのは、彼らの権利を奪われているのです。平等がそこには存在しないのです。

 


第14条第1項
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 

つまり、これは同性愛者だけの問題ではなく、みんなの権利の問題です。愛し合っている二人が結婚することができないって、平等とは程遠いですよね?
 
諸外国では、権利の問題という意識が広くありますが、日本は意識が薄いように感じられます。(※参照:【イベントレポート】多様性を考える日仏討論会)
 


 

同性婚は不自然?


とあるテレビ番組におけるデヴィ夫人のこちらの発言が問題になりました。
 
「同性愛婚は絶対に反対。愛し合うのは認めますよ。結婚は自然の摂理に反すると思う。結婚は子孫を残すことですから、それに反します」
 
同性愛はペンギンなどをはじめとする数多くの動物の中で自然に確認されています。デンマークのオーデンセ動物園では、ペンギンのゲイカップルがお母さんに見放されてしまった卵を孵化させて育てた、という事例もあるくらい人間よりも動物の方が進んでいたりします。その行為を、嫌悪しているのは人間だけです。
 
では、同性婚はどうでしょうか。そもそも、結婚という制度があるのは自然の中で人間だけ。加えて、結婚は子どもを作るためにすることなのでしょうか?視聴者からは「子どもができない人はそもそも結婚してはいけないのか」と反発の声が上がっています。

結婚は、愛し合う二人をさらに強く結びつけるものです。子どもを作るための制度では、ありませんよね。


 

まとめに


日本にも一応パートナーシップ制度は生まれつつありますが、地域が限定されていたり、そもそも法では保障されるようなものではなかったりと問題が多々あります。

ここで満足することなく、みんなの結婚のための法制度の足掛けになることを願っています。

 

WRITERこの記事の投稿者

さのう

LGBTニュース深堀り!
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