【LGBT自治体議員連盟研修会レポート①】

 

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【LGBT自治体議員連盟研修会レポート①】

2017.08.02

〜LGBT自治体議員連盟研修会レポート①〜


 

□LGBT自治体議員連盟第一回勉強会冒頭□

 

先日文京区の前田くにひろ議員、豊島区の石川大我議員、世田谷区の上川あや議員、中野区の石坂わたる議員、入間市の細田ともや議員の5名から構成される「LGBT自治体議員連盟」が発足しました。
 
この「LGBT自治体議員連盟」の第一回となる勉強会が、7月27日、28日に行われました。
 
ここでは、LGBT自治体議員連盟勉強会、7月27日の部の内容をレポートしていきます。

場所は豊島区役所。27日、勉強会が行われる部屋に入ると、全国各地から集まった自治体議員さんが大勢いらっしゃいました。勉強会の参加者数は総勢100名以上。
 
まずは集まった方一人ひとりが自己紹介。
自己紹介とともに自身の所属自治体の状況をお話して下さる議員さんが多かったので、各自治体の動きについて知ることができました。「思っていたよりもたくさんの自治体が動き出そうとしている」というのが正直な印象でした。

 

□明大教授 鈴木賢さんのお話□

 

自己紹介後、明大教授であり、ドメスティック・パートナー札幌呼びかけ人代表である鈴木賢さんからお話を頂きました。
 
お話の内容は札幌でのパートナーシップが実現された経緯や、そこから学ぶ自治体の今後の動きについて。
 
札幌のパートナーシップは2017年6月1日から実施され(5月18日から予約受付開始)、2017年7月27日現在までに、23組のカップルがパートナーシップ申請を行っています。
 
札幌パートナーシップの最大の特徴は申請するカップルが同性同士でなくても良いという点です。実際に、これまで申請をした23組のカップルの内、1組は異性カップルです。
 
生物学的な性別を重視しないことにより、生物学的性と自認する性が異なる場合でもあまり気にすることなくパートナーシップを取得することができます。
 
札幌のパートナーシップは「同性パートナーシップ制」ではなくあくまで「札幌パートナーシップ制」なのです。
 
札幌のパートナーシップは、当事者とアライが共に声を上げることで成立した、「ボトムアップ型」のものです。
 
それぞれが声を上げることで、確かに世の中は変わるのです。
 
鈴木賢さんは「全国の当事者に立ち上がってもらいたい」とおっしゃっていました。
 
鈴木さんによると日本は「invisibleモデル」、つまり「不可視化モデル」です。
 
LGBTやセクシュアルマイノリティの存在が「見えない」=「いない」ものとされてしまう傾向があるのです。
 
だからこそ「可視化」がとても重要です。
 
当事者とアライが協力して「可視化」を進めていかなければ、世間は中々動いてくれない。
 
各自治体が動き出そうとしている今こそ、「みんなで」声を上げるべきなのではないでしょうか。

 

□日本大学危機管理学部 鈴木秀洋さんのお話□

 
 
鈴木賢さんのお話の後は、日本大学危機管理学部の鈴木秀洋さんからのお話。
 
鈴木秀洋さんは元文京区の職員なので、文京区がこれまで進めてきた施策や、自治体に置けるジェンダー・人権施策の進め方についてお話をして下さいました。
 
文京区では平成25年に公布された「文京区男女平等参画推進条例」の禁止事項等の項目に“ 何人も、配偶者からの暴力等、セクシュアル・ハラスメント、性別に起因する差別的な取扱い(性的指向又は性的自認に起因する差別的な取扱いを含む)その他の性別に起因する人権侵害を行ってはならない。”と明記しています。
 
(出典:文京区HP )
URL:http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0120/5293/danjyo-suishinnjyourei.pdf


差別や偏見に苦しむ人に「気にするな」というのではなく、差別的な言動や偏見に対して声をあげるべきだと鈴木秀洋さんは語ります。
 
また、SOGI・LGBT・性的マイノリティの問題に目を向ける人が地域に増えることは一人ひとりの違いが尊重される地域であるということだとも主張しています。
 
LGBTやセクシュアルマイノリティの問題に目を向けることが、個人が尊重される社会に繋がる。
 
これは私も同意見です。
 
だから、LGBT・セクシュアルマイノリティの問題は他人事ではないのです。
 
「みんな」で取り組むべきことなのです。

 
□渋谷区 長谷部健区長のお話□
 

7/27の勉強会の最後には、渋谷区の長谷部健区長からお話と、渋谷区ダイバーシティ推進課長の永田さんからお話を頂きました。
 
ご存知の方も多いと思いますが、渋谷区は日本で初めてパートナーシップ制度を導入した自治体です。
 
長谷部健区長からは、なぜ長谷部区長自身がパートナーシップ制度導入に取り組むに至ったのかをご説明頂きました。
 
長谷部区長は20歳でニューヨークに行ってからセクシュアルマイノリティに関する考え方が変わっていったと言います。
 
海外で自身のセクシュアリティをオープンにしている人達を見て、始めは衝撃を受けたそう。
 
しかし、帰国後に原宿を歩いている時、よくみてみたら、日本にもセクシュアルマイノリティの方が多くいることに気づいたのだとか。
 
その後出会った当事者の方に、パートナーシップ証明書を発行したら嬉しいと思うかどうか尋ねたところ、とても喜んでくれ、パートナーシップ制度導入に至ったそうです。
 
長谷部区長はその時の当事者の方の喜んだ様子を今でも覚えているとおっしゃっていました。
 
パートナーシップに関する議論はそれ以前から渋谷区で出ていたそうですが、最後の一押しが当事者の方の笑顔だったのだと思うと、やはり可視化は大切なのだと感じます。
 
長谷部区長のお話の後は、永田課長が現在の渋谷区の取り組みについて教えて下さいました。
 
渋谷区は現在、アライを増やすことに注力しているとのこと。
 
今後は、ジェンダーを気にせずいかに区民が色々な機関を利用できるか、に取り組むそうです。
 
アライを増やすこと、とても重要な鍵になると思います。
 
 
□まとめ□

 
勉強会に参加して、「可視化」が重要だということ、そして「日本ではまだまだ可視化が十分にされていない」ことを改めて感じました。
 
実は鈴木賢さん、鈴木秀洋さんからのお話の後、お二人にこんな質問が飛びました。
 
「当事者の方が声をあげられない状況下で、どのようにして当事者に出会ったらいいのでしょうか?」
 
これを聞いた時、正直少しびっくりしました。
 
存在がまだまだ認知されていないことを改めて思い知らされた瞬間でした。
 
自治体がどんどん動き出そうとしていることに喜びを感じる一方で、世間的なセクシュアルマイノリティの認知度の低さを改めて感じ、少し悔しかったというのが正直な感想です。
 
鈴木賢さんのお話からも分かる通り、やはり可視化を進めることが必要なのだろうと思います。
 
「当事者が声を上げる」ことができる環境を作れるよう、アライを増やすことに注力し、最終的には「みんな」が一緒に動いていく状況を生み出したいと心から思います。
 

(LGBT自治体議員連盟研修会レポート②はこちら)

WRITERこの記事の投稿者

山梨


アライ日記


ストレートアライ。幼少期に男子のような洋服を好んで着ていたため、男子によく男子に間違えられていた。最近では、文京区にて交流会を開催中

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