パンセクシャルとバイセクシャルの違いをパンセクシャル当事者が語ってみた

 

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パンセクシャルとバイセクシャルの違いをパンセクシャル当事者が語ってみた

2017.07.16

 


みなさん、こんにちは!ボイスアーティストの手塚弥生(@yasuu2867)です。
 
私は自分のセクシャリティを"パンセクシャル"だと認識しています。
今回は周りから聞かれる「パンセクシャルとバイセクシャルってどう違うの?」を、当事者である私の目線からお話ししてみたいと思います!

 

恋愛対象に「性別」が入るか入らないかが大きな違い


バイセクシャルは両性愛者と訳されるように、自分にとっての同性・異性両方が恋愛対象になります。一方、パンセクシャルは、全ての性別が恋愛対象なので、そもそも好きになる時に、相手の「性別」が条件に上がってきません。

たとえば好きなタイプを話す時、バイセクシャルだと「男性なら~」「女性なら~」と性別に分けて話すことが多いと思いますが(実際私もバイセクシャルだと思っていた時はそう答えてました)、私の場合は性別にこだわりがないので、単に好きなタイプを列挙します。

「男性だから好きになる」「女性だから好きになる」という性別に特化した視点がない、というのが私の考えるパンセクシャルというセクシャリティです。


 

私も最初はバイセクシャルだと思っていた


そういう私も、最初からパンセクシャルという認識をしてはいませんでした。私は24歳まで男性としかお付き合いしておらず、25歳で初めて彼女ができたので、最初は「私はバイセクシャルなんだ」と思っていました。

私がお付き合いした女性たちは、どちらかというとボーイッシュで、性別の枠を超えているような人ばかり。中には、「昔は男の子になりたいと思っていたよ」と教えてくれた人、「私はXジェンダーだから男女どちらだとも思ってないよ」という人もいました。

こんな話をするうちに、ふと「もし、彼女が今、性別を変えたいと言ったら私はどうするだろう?別れるのかな?」と考えるようになりました。その時出た答えは「NO」。私にとって、その人の性別が何であろうと、好きなことに変わりはないと感じたからです。

これをきっかけに、私は男女両方が恋愛対象のバイセクシャルというセクシャリティを名乗ることに違和感を覚えるようになりました。


 

パンセクシャルという言葉の方がしっくり来ただけ


ある日、ネットでセクシャリティについて検索していると「パンセクシャル」という言葉を目にしました。詳しく調べてみると、「パンセクシャル:全性愛者、全ての性別が恋愛対象になる人。または好きになる人に性別という概念を重要視しない人」という記述が。特に後半の、「好きになる人に性別という概念を重要視しない人」という言葉が本当にしっくりきました。

この言葉を知ってからというもの、私は「パンセクシャル」を名乗り、カミングアウト時にはその言葉も説明するようにしています。自分の考えにしっくりくるセクシャリティを伝えることは、自分を大事にすることに繋がると考えているからです。

とはいえ時には、情報量を減らすためにあえてパンセクシャルの説明を「バイセクシャルの親戚みたいなものです」とお伝えすることも。LGBT用語は聞きなれない横文字が多く飛び交うので、聞き手がパニックを起こしているなと感じる時は、言葉にこだわらず、言葉の奥にある「性やセクシャリティには多様性がありますよ」メッセージだけを伝えるようにしているのです。


 

今日の一言


実はバイセクシャルとパンセクシャルを明確に線引きするのは難しいのです。バイセクシャルだとカミングアウトしている方の中にも、「その考え方はパンセクシャルの定義に当てはまるなぁ」と感じる方も多くいます。

正解を見つけようとすると迷路に入り込んでしまうので、自分にとって心地良い言葉をチョイスすることが一番大事です。
周囲の方も、セクシャリティの詳細を覚えようとするのではなく、今目の前でカミングアウトしている方の想いを受け取ることを大事にしてほしいなと思います。
 
 

WRITERこの記事の投稿者

手塚弥生

執筆や講演、ラジオ出演などを通じて、マイノリティな生き方を伝える発信をしている。

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